📍個別地盤評価
🧱【地盤の総合判定】
このレポートは、対象地における5mまでの浅層地盤の状態を基に、建築リスクを評価しています。
以下の4つの観点から地盤リスクを分析しています。
① 沈下リスクに関する評価
項目 | 評価・所見 |
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腐植土層の有無(スポンジ状) | 地表から5m以内に存在する場合、沈下リスク大。圧密沈下が発生しやすい。 |
軟らかい粘性土(N値≦4) | 存在していると長期間にわたる沈下の可能性がある。圧密沈下による不同沈下リスクも。 |
※粘性土中の水分がゆっくり抜けることで、時間と共に地盤が沈下していく「圧密沈下」が懸念される状態です。
② 液状化リスクの評価
項目 | 評価・所見 |
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緩い砂質土の分布(N値≦10) | 存在する場合、地下水が近いと液状化リスク高。 |
地下水位の深さ | 地表から浅い位置(例:2〜3m以内)で確認されると、液状化に繋がる可能性が高まる。 |
※液状化とは、地震時に土が液体のように崩壊する現象で、建物の傾き・沈下・破損の原因になります。
③ 不同沈下リスクの評価
項目 | 評価・所見 |
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良好地盤までの深さ | 地表から5m以上 → 直接基礎不可、補強が必要。 |
地盤の不均一性 | 軟弱層の厚さがエリア内で1m以上の差 → 不同沈下の可能性大。 |
※周辺地点との比較で、軟弱層のばらつきが見られると、**建物の一部が傾く「不同沈下」**が起こりやすくなります。
④ 地形・地質に関する評価
地形分類 | 所見 |
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盛土地・埋立地 | 沈下・液状化リスクが高い可能性あり。土が十分に締め固められていないケースも。 |
明治期の低湿地・旧河道 | 過去に湿地・川だった場所 → 軟弱地盤が広がりやすく、液状化の危険も。 |
🛠 想定される地盤補強工法(建物基礎)
想定工法 | 適用条件 | 特徴 |
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表層改良 | 軟弱層が2m以内 | 表面層にセメントを混ぜて地盤を固める。コスト低め。 |
柱状改良 | 軟弱層が2〜8m | 地中にセメント柱を形成し、荷重を支える。木造住宅では一般的。 |
鋼管杭工法 | 軟弱層が8m以上 | 深部の良好地盤まで杭を打つ。中高層建物や重量建築に使用。コスト高。 |
⚠ 注意点(PDF記載の重要事項)
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本レポートは現地調査ではなく机上推定に基づいて作成されています。
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地盤補強工法の提案は推定であり、最適工法を示すものではない。
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建築時には、専門業者による現地ボーリング調査の実施が推奨されています。
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宅建業法35条の重要事項説明には使用できない資料です(参考資料のみ)。
✅ まとめ:この地点の地盤評価
観点 | 結論 |
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沈下リスク | 高め。腐植土や軟らかい粘性土が確認されている。 |
液状化リスク | 可能性あり。地下水位が浅く、緩い砂質土が確認されている。 |
不同沈下リスク | 周辺と比べて不均一性があり、注意が必要。 |
地形的な評価 | 盛土地・旧河道など、自然災害リスクとの関連が高い地形。 |
想定補強工法 | 柱状改良または鋼管杭工法が推定されており、コストが発生する可能性あり。 |