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  • パーゴラ 

イタリア語で葡萄棚という意で、蔦・藤などのつる性植物を絡ますように造ったトンネル状の棚のこと。開放的であると同時に、植物による日除けのスペースであり、庭園における景観的美しさも兼ね備えている。

  • パース 

透視図法、すなわちある点から放射状に線を引いて投影した図のこと。物を立体的に表現し、平・立面図に比べてイメージを把握しやすい。従って、建築物の完成予想図としてよく用いられる。描く部分によって外観透視図・室内透視図がある。「パースペクティブ」とも。 

  • 媒介 

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。

「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。
「仲介」とは「媒介」と同じ意味である。 

  • 媒介契約 

「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。

宅地建物取引業者がこうした活動を行なう際に、依頼者(売主・買主・貸主・借主)と宅地建物取引業者との間に締結される契約を「媒介契約」と呼ぶ。

媒介契約の方法や内容については、宅地建物取引業法第34条の2によって厳しい規制が加えられている。 

  • 媒介契約書 

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。(

  • 媒介報酬(仲介報酬) 

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。

  • ハイカロリーバーナー 

標準的なガスバーナーの2倍以上の火力をもつガスバーナーを「ハイカロリーバーナー」という。
またハイカロリーバーナーを組み込んだ2口以上のバーナーをもつガスコンロ(ガステーブル)のことを「ハイカロリーバーナー」と呼ぶこともある。

標準的なガスバーナーは、強火の場合で1時間当たり約2,000キロカロリーの熱量を発生させる。この熱量とは、20度の2リットルの水を約5分で100度に沸騰させるという熱量のことであるが、実際には外部に逃げる熱量が50%以上あるため、10分近くかかる。

これに対して、ハイカロリーバーナーは1時間当たり4,000キロカロリー以上の熱量を発生させることができ、調理時間を大幅に短縮するだけでなく、中華料理のような強い火力を必要とする調理も家庭でできるようにしたものである。

またハイカロリーバーナーでは、火力が外部に逃げることを防ぎ、かつ鍋の取っ手が加熱されることを防止するために、炎が上向きに立ち上がるようにしたタイプや炎を内向きにしたタイプなど、熱効率を大幅に高めた機種が開発されている。

また高火力による油の飛び散りへの対策として、ガスコンロ(ガステーブル)の表面をフッ素樹脂加工や結晶ガラスとし、調理後の掃除を簡単にしたタイプも発売されている

  • 廃業等の届出 

宅地建物取引業者において死亡・破産・解散・廃業などの事情が発生した場合に、一定の者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第11条第1項)。この届出を行なうのは、次の5つの場合である。

1)宅地建物取引業者(個人)が死亡したとき(法第11条第1項第1号)
宅地建物取引業者の相続人は、死亡の事実を知った日から30日以内に、免許権者(その免許を与えた知事または大臣のこと)に対して、廃業等届出書(施行規則第5条の5、施行規則様式第3号の5)を提出する義務を負う(死亡の場合、廃業等届出書の提出期間は「死亡の日から30日以内」ではなく「死亡の事実を知った日から30日以内」であることに注意。また宅地建物取引業者が死亡した時点で、免許は自動的に失効する。廃業等届出書を提出した時点で免許が失効するのではないことに注意)。

2)宅地建物取引業者(法人)が合併により消滅した場合(法第11条第1項第2号)
その法人を代表する役員であった者は、法人が合併により消滅した日から30日以内に、免許権者に廃業等届出書を提出する義務を負う(合併により法人が消滅した場合、法人が消滅した時点で免許は自動的に失効する。廃業等届出書を提出した時点で免許が失効するのではないことに注意。また、合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。

合併による消滅には、吸収合併と新設合併がある。
吸収合併については、例えば甲法人が解散して乙法人に吸収されるのならば、解散する甲法人の代表者が廃業等届出書を提出する義務を負う。
新設合併については、例えばA法人(宅地建物取引業の免許あり)とB法人(宅地建物取引業の免許なし)が解散して、新会社であるC法人を新規に設立するのならば、A法人の代表者が廃業等届出書を提出する義務を負う。

3)宅地建物取引業者(個人または法人)が破産した場合(法第11条第1項第3号)
破産管財人は、破産した日から30日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第11条第2項)。また、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第66条第1項第7号))。

4)宅地建物取引業者(法人)が、合併および破産以外の理由により解散した場合(法第11条第1項第4号)
その法人の清算人は、合併・破産以外の理由で解散した日から30日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う。
(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第11条第2項)。また、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第66条第1項第7号)。さらに合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業)については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。

5)宅地建物取引業者(個人または法人)が、宅地建物取引業を廃止した場合(法第11条第1項第5号)
宅地建物取引業を廃止した場合とは、上記1)から4)に該当しない場合であって、宅地建物取引業を業として営むことをやめる場合を指す。一般的には「廃業」と呼ばれる。
この場合には、宅地建物取引業者であった個人または宅地建物取引業者であった法人を代表する役員は、廃業した日から30日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う。
(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第11条第2項)。また、破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第66条第1項第7号)。さらに合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。

  • 配偶者控除 

ある個人に配偶者がいて、その配偶者が給与収入を得ている(他の収入はない)というケースを考える。
このとき、配偶者の給与収入が103万円以下であるならば、その個人の所得について38万円の所得控除を受けることができる。これを配偶者控除という。

  • 配偶者特別控除 

ある個人に配偶者がいて、その配偶者が給与収入得ている(他の収入はない)というケースを考える。

このとき、その配偶者の給与収入が141万円以下であるならば、その個人の所得について、次のような所得控除(配偶者特別控除)を受けることができる。

1)配偶者の給与収入が103万円以下のとき
その個人の所得から控除される配偶者特別控除は、配偶者の給与収入が少ないほど大きくなる。配偶者特別控除は最大で38万円である。

2)配偶者の給与収入が103万円を超え141万円以下のとき
その個人の所得から控除される配偶者特別控除は、配偶者の給与収入が103万円に近づくほど大きくなる。配偶者特別控除は最大で38万円である。 

  • 排出水 

水質汚濁防止法では、有害物質や生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された101種類の施設のことを「特定施設}と定義している。
こうした特定施設を設置する工場・事業場等(「特定事業場」という)から、河川・湖沼・沿岸等の公共用水域に排出される水のことを「排出水」と呼んでいる。
ただし特定事業場から公共下水道に放出される水は「排出水」ではない。(水質汚濁防止法第2条)

  • 排水基準 

排出水に含まれることが許容される有害物質等の濃度に関する基準のこと。水質汚濁防止法もとづく政令(=排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号))により制定された基準である。
水質汚濁防止法では、有害物質や生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された101種類の施設のことを「特定施設と定義する。

こうした特定施設を設置する事業者については、水質汚濁防止法では次の2つの方法により、上記の排水基準を遵守するよう監視する仕組みとなっている。
1)特定施設を設置する際に、事業者が事前に都道府県知事に特定施設設置等の届出行なうことを義務付け、その届出において報告する事項により、排水基準を満たす構造等を備えていることを確認する。
2)特定施設を設置する事業者に対して、排出水および特定地下浸透水の汚染状態の測定義務付け、排水基準を遵守していることを記録させる。

  • 売買契約 

当事者の一方がある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。

売買契約は諾成契約とされている。つまり当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引渡されたときに成立するのではない)。
また売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。
また売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。

当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立した時、売り主には「財産権移転義務」が発生し、買い主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。

  • PS 

上下水道管(さらにはガス湯沸器など)を収納したスペースのこと。住戸の外部(玄関脇など)に設置されているのが一般的である。このパイプスペースの中に電気・ガス・水道のメーターを納めているときは、「MBPS」と表示されることがある。

なおこのPSやMBPSは、住戸の外部にあるときは、住戸の使用面積(専有面積、賃貸面積)には一般的に算入されない。

  • 白紙委任状 

ある人に一定の行為を委任することを記載した書面を委任状という。
委任状は、登記申請手続き等で必要な書面である。
この委任状には、委任者の氏名、受任者の氏名、委任事項の詳細などを記載するが、これらの記載の一部(例えば委任事項)が空欄となっているものを白紙委任状という。白紙委任状を交付された受任者が、空欄を濫用した場合については、代理権授与表示による表見代理が成立する場合がある。

  • パティオ 

スペインやラテンアメリカなどの住宅に見られる中庭。一般的には、多彩なタイル張りの床、噴水、植木などで構成された中庭。スペインやラテンアメリカなどの住宅に見られる。

  • 幅木 

壁の最下部で床に接する所に水平に設けられた化粧材のこと。壁の最下部を物がぶつかる等の損傷や汚染から保護し、床の納まりをよくする。木材、石、タイル、金属板、プラスッチック等が用いられる。

  • はめ殺し窓 

開閉できない、枠に直接ガラスなどが固定された窓。「はめ殺し」ともいう。 

  • パラペット 

次の2つの意味がある

1)陸屋根(水平な屋根)の周囲を取り囲むように設置された低い壁。
2)店舗の屋上や、店舗の正面の上方に取り付ける壁。

1)の意味のパラペットは、落下防止や雨水の侵入を防止するために設置されるものであり、2)の意味のパラペットは主に看板を取り付けるために設置されるものである。

  • パラボラアンテナ 

衛生からさまざまな情報を受信するためのお椀型のアンテナのこと。一般的には、衛星放送受信用のアンテナ(BSアンテナ)のことを指す。
最近のマンションでは、各住戸でそれぞれ設置する必要がないよう、あらかじめ共用のパラボラアンテナを設置し、各住戸への配線によって衛生放送が見られるようにしたものも多い。

パラボラとは放物線のことで、アンテナの内部が放物線の用に半円を描いている所から、この名前がついた。放物線の焦点は光が集まる点としての性質をもっており、この原理を生かし、アンテナに届いた電波は、中央部に設置された受信機に集められる。

パラボラアンテナは電波指向性が高いため、アンテナを電波の来る方向へある程度正確に向ける必要がある。 

  • バランスがま 

浴室内に設置される風呂釜(ふろがま)のこと。浴槽の脇に設置するタイプの風呂がまである。浴槽と風呂がまが接しているため、エネルギーの損失が少なく経済的という利点がある。

バランスがまは、浴槽にためた水を沸かす機能だけでなく、追いだき機能・沸かし直しの機能を持つ。またシャワー機能をもつ機種もある。ただし台所・洗面台への給湯機能は持たない。

バランスがまを設置する場合には、給排気を安全に行なうために、浴室内から戸外へと通じる排気筒を浴室内に設置する必要がある。また換気を確保するために浴室に換気窓を設けるケースが多い。 

  • 梁 

小屋組や床組の荷重を二点支持により水平や斜めの状態で支える横材のこと。柱などと連結して、上方からの荷重を鉛直方向に流し、地面に力を伝える重要な構造部材である。 

  • バリアフリー 

高齢者や身体障害者など、体の不自由な人々の行動を妨げる物的・心理的障害を取り除くという意味。バリアフリーデザインはその障害となる物を除去し、生活しやすいよう設計されたものである。段差を出来る限りつくらずにスロープ等を用いることも一つの手法である。 

  • バルコニー 

建物の壁面から突き出した床の部分。ベランダとも言う。

バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共有部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。

またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

  • ハロゲンヒーター 

ハロゲンランプ(石英管内にタングステンフィラメントを内蔵し、ハロゲンガスを封入したもの)を熱源とする調理用ヒーターのこと。
ハロゲンランプが放射する光の80%以上が熱(赤外線)であることに着目し、この放射熱を調理に応用したものである。

ハロゲンヒーターの特徴として、熱効率がガスバーナー(ガスコンロ)に比べて高いこと、火力が強いことが挙げられる。また熱源であるハロゲンランプの寿命は5,000時間から1万時間程度である。

ただしハロゲンヒーターでは、土鍋、ガラス鍋、ホーロー鍋などは使用することができない(超耐熱ガラス鍋・耐熱ホーロー鍋は使用できる)。

なお最近は、ハロゲンランプを使用した暖房器具も発売されており、この暖房器具もハロゲンヒーターと呼ばれている。 

  • パントリー 

食料品や食器を入れておく小室、または配膳室のこと。厨房に隣接して配置する場合と、食事をとる部屋に近づける場合があり、配膳における一連の動作がスムーズに進むように設計すると良い。 

 
 ヒ

 

  • PC造 

プレキャストコンクリートを使用した建築構造のこと。

鉄骨の骨組にプレキャストコンクリートをはめこむことによって造られる建築構造である。

この建築構造は工事期間とコストが少なくてすむため、賃貸マンションなどに多用されている。 

  • Pタイル 

プラスチック系床材であって、タイル状に成型されているものを「プラスチックタイル」または「Pタイル」という。

Pタイルには、その材料によって、塩化ビニル系タイル、アスファルト系タイル、ゴム系タイルなどの種類がある。

ただし、一般的に「Pタイル」と言う場合には、塩化ビニル系タイルのうち硬質のもので、大きさが30センチ×30センチのものを指していることが多い。

この一般的な意味でのPタイルは、硬質で耐久性・耐磨耗性に優れており、学校、オフィス、商業施設で多用されている。  

  • ヒートアイランド現象 

都市部の高温化現象のこと。
この現象を防止するには、日中のコンクリートの熱吸収を抑制するとともに、蒸発する水分量を増やして熱の放散を促進することが必要である。
建築物の屋上に設けた緑地(屋上緑化)は、その両面で大きな効果を発揮する。

  • ビアジェ 

フランスにおける高齢者の所有不動産に関する特殊な売買契約のこと。
高齢者が住宅を買い主に売却し、その対価として、買い主から高齢者に対して高齢者が生存する期間に限り毎月一定額の金銭が支払われ、しかも高齢者はその住宅に終生住み続けることができるという契約である。

高齢者から見れば、長生きをするほど買い主からの受取金額が増えてゆき、しかも家賃を支払うことなく住み続けることができるので、長生きが有利である。しかし買い主から見れば、高齢者が長生きをするほど不利となる。このようにビアジェは買い主にとって危険性の高い契約であるが、その反面、住宅を通常よりも低額で取得できる可能性があるというメリットがある。

フランスではすでにローマ時代からこのビアジェという売買契約が行なわれていたという。現在ではフランスでは年間4,000件以上と言われるビアジェの成約件数があり、不動産取引の約2%を占めているとされている。

このようにビアジェがフランスで普及している理由としては、(1)フランス民法典にビアジェが明文化されていること、(2)フランスの法制度では、不動産売買契約が官吏である公証人によって必ず確定・認証されるため、複雑な不動産売買契約が法律上安全に締結できること、などが考えられる。 

  • ビオトープ 

野生生物の棲息できる最小空間を表すドイツ語。都市から失われる自然を回復するための対策として、自然環境を積極的に整備・育成するため、緑地帯や人工池、河川をつくったりする工夫が施されている。

近年では特定の生物種に限定せず、多様な野生生物が棲息できる生態系としての湖沼、湿地、草地、雑木林などをビオトープと呼ぶようになっている。残った自然を保全する保全型ビオトープや壊された自然を復元する復元型ビオトープなどが全国各地で実践されている。

  • 非オンライン庁(不動産登記における~) 

不動産登記のオンライン申請ができない登記所のこと。

  • 日影規制 

高い建物が日照をさえぎることによる日照被害を軽減しようとするものである(建築基準法56条の2)。

実際に日影規制を実施するには、地方自治体による条例の制定が必要だが、現在ではほとんど全ての自治体が日影規制条例を制定し、日照被害の軽減に努めている。

日影規制の対象区域は、地方自治体が条例で指定した区域である。この区域の指定は、住居系の7つの用途地域(第1種低層住居専用地域から準住居地域まで)、近隣商業地域、準工業地域の中で行なうことが必要である。

逆に言えば、商業地域、工業地域、工業専用地域では、日影規制の区域を設けることはできない。また、新宿高層ビル街のような特定街区では、日影規制を行なうことができない(建築基準法60条)。 

  • 日影規制(具体的な内容) 

日影規制の対象区域にある「一定以上の高さ」の建物を対象にする。
対象となった建物について、その建物の外側に10メートルの範囲内で建物の影が映る時間を計算し、その時間が一定時間以内におさまるように建物の高さが制限される。

従ってこうした計算方法で計算した結果、一定時間を超える日影が発生すると判明した場合には、建物の設計を変更しなければならないとされている。
日影規制の対象区域であっても、実際に日影規制の対象となるのは「一定以上の高さ」の建物だけである。この対象となる建物は用途地域ごとに決められており、具体的には次のとおりである。
1)第1種低層住居専用地域および第2種低層住居専用地域
軒の高さが7メートルを超えるもの、または地上3階建て以上であるもの
2)第1種中高層住居専用地域および第2種中高層住居専用地域
建物の高さが10メートルを超えるもの
3)第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域
建物の高さが10メートルを超えるもの
このように2階建ての住宅であれば、通常は上記1)から3)に該当せず、日影規制とは関係がないのであるが、3階以上の一般住宅や共同住宅は日影規制が適用される場合が非常に多いと考えられるので、建築設計の段階で日影規制をクリアするよう注意することが必要である。 

  • 非課税取引 

消費税の性格や社会政策的配慮により、消費税が課税されない取引のことを「非課税取引」という。

  • 光ファイバー 

ガラスやプラスチックの細い繊維を芯として光をとおす通信ケーブルのこと。通信データを光の信号でやりとりするため、高速・大容量の情報通信が可能になる利点がある。

ADSLの通信速度が2Mbps~数十Mbps(bpsは1秒間に1ビットのデータを送信できるという単位)であるのに対して、光ファイバーでは計算上は100Mbpsの通信速度が出るとされている(ただし現時点では設備上の問題から100Mbpsは実現しないことが多い)。このため光ファイバーは、映画などの動画を配信できる次世代の情報通信技術として注目されている。

なお、光ファイバーを各家庭へ引き込むことを「FTTH」(Fiber To The Home)と言うが、ここから転じて、家庭用の光ファイバー通信サービスのことを「FTTH」と呼ぶ場合がある。

  • 美観地区 

美観地区は、「市街地の美観を維持するために定める地区」である(都市計画法第9条)。
具体的には、建築物の色彩や、屋外広告を規制する地区であると言ってよい。

美観地区が定められると、この美観地区内では、地方自治体の条例によって、建築物の構造や設備を規制することが可能となる。

ただし美観地区が定められていても、その美観地区内での条例はまだ制定されていないというケースが多い。

美観地区が最もよく整備されているのは京都市で、約1,800haを美観地区に指定し、市街地景観整備条例によって建物の外観を規制している。 

  • 被災市街地復興推進地域 

大規模な災害により被害を受けた市街地の復興を推進するために定められる地域。
平成7年に制定された被災市街地復興特別措置法にもとづいて市町村が指定する地域である。

被災市街地復興推進地域は、次の要件に該当する市街地の区域について、市町村の都市計画で指定される(被災市街地復興特別措置法第5条、都市計画法第10条の4、都市計画法第15条)。
1)大規模な火災、震災等により相当数の建築物が滅失したこと
2)公共施設の整備状況、土地利用の動向からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあること
3)緊急かつ健全な復興のため、土地区画整理事業、公共施設の整備事業等を実施する必要があること

このような要件を満たす区域について被災市街地復興推進地域が指定された場合には、地域内の土地において、建築行為等が厳しく制限され、土地の造成・建築物の建築等には知事(または市長)の許可が必要となる(被災市街地復興特別措置法第7条)。

またこの知事(または市長)の許可が得られないために土地所有者に著しい支障が生ずる場合には、都道府県・市町村等は当該土地を時価で買い取るべきものとされている(被災市街地復興特別措置法第8条)。 

  • 非指定庁(不動産登記における~) 

不動産登記のオンライン申請ができない登記所のこと。

  • 非線引き区域 

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと

  • ひな壇 

桃の節句で雛人形を飾る段々状のステージが原意。宅地を開発する際、平坦に整地できない場合、自然の起伏を活かすか、段々状に土を削ったり(切土)、盛ったり(盛土)する。どちらが良いかは一概に言えないが、ひな壇造成された土地の場合、一般に盛土部分の地耐力は切土部分より弱い。またひな壇の上部の方が、湿気が少ないとされている。 

  • 非農地証明 

各市町村に設置された農業委員会が発行する証明書のひとつである。

  • 被保佐人 

精神上の障害があるために、保佐人を付けられた者のこと。
保佐とは「たすける」という意味である。

精神上の障害により物事を判断する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「保佐開始」の決定をし、「保佐人」を職権で選任する(民法第11条、第876条の2)。

こうした手続により保佐人を付けられた者のことを「被保佐人」と呼ぶ。

この「被保佐人」の制度は、平成12年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「準禁治産者」という名称であった。

被保佐人は、財産にかかわる重要な法律行為(不動産売買や不動産賃貸借など)を自分だけでは有効に行なうことができない。
こうした重要な法律行為を行なうには保佐人の同意が必要であり、もし保佐人の同意を得ないで重要な法律行為を行なった場合には、後でその法律行為を取消すことが可能である。
ただし重要でない法律行為や、日用品の購入などは有効に自分だけで行なうことができる(民法第12条)。

従って、被保佐人との契約を行なうには、その保佐人の同意を必ず取得するべきである。 

  • 被補助人 

精神上の障害があるために、補助人を付けられた者のこと。

精神上の障害により物事を判断する能力が不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「補助開始」の決定をし、「補助人」を職権で選任する(民法第14条、第876条の7)。

こうした手続により補助人を付けられた者のことを「被補助人」と呼ぶ。

この「被補助人」の制度は、精神上の障害の程度が軽微な人について、法律行為を円滑に行なうことができるように、平成12年の民法改正によって創設された制度である。

被補助人は、精神上の障害の程度が軽微であるので、重要な法律行為であっても基本的には単独で有効に行なうことができるが、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な法律行為について、補助人の同意が必要とされたり、補助人が法律行為を代理する場合がある(民法第16条、第876条の9)。

どのような法律行為について「同意」や「代理」を必要とするかは、本人、配偶者、親族などの請求によって家庭裁判所が審判する(民法第16条、第876条の9)。

従って、被補助人との契約を行なうには、その補助人と事前に協議するべきである。

  • 表見代理 

無権代理による取引(権限のない代理人が行なった契約など)は、本人に対する関係では本来無効である。しかし取引の相手方が、無権代理人を真実の代理人だと誤信したことについて、何らかの正当な理由がある場合には、その取引は有効なものとされる。この制度を表見代理という。

表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限踰越表見代理という3種類がある。

これら3種類の表見代理は、本人に何らかの落ち度(帰責要因)があることを基礎として、その帰責要因をもとにあたかも真実の代理人であるかのような外観が作出され、その外観を信頼して取引に入った相手方を保護するものである。

  • 標識の掲示 

免許証番号などを記載した「標識」を、宅地建物取引業者の事務所その他の一定の場所に掲示することを「標識の掲示」という。

(1)趣旨
無免許営業を防止すること、責任の所在を明確にすること等の目的で、宅地建物取引業者に義務付けられたものである(宅建業法第50条第1項)。

(2)標識に記載すべき事項
標識に掲示すべき事項は、免許証番号、免許有効期間、商号、代表者氏名、主たる事務所の所在地など(施行規則第19条第2項)。

  • 表示規約 

不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。

この表示規約が最初に作られたのは昭和38年のことであり、その後、10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社にひろく遵守されている。

この表示規約の改正作業や、表示規約に違反した不動産会社への警告などを行なっているのは、全国各地に設立されている「不動産公正取引協議会」である。

  • 表示行為 

内心的効果意思(具体的にある法律効果を意欲する意思)を外部に表示する行為のこと

  • 表示登記 

土地・建物に関する物理的状況を表示した登記のこと。

  • 表示の登記 

登記記録の表題部になされる登記のこと。不動産の物理的状況・外形的状況などが記載される。「表示登記」ともいう。 

  • 標準管理規約 

分譲マンションなどの区分所有建物における管理規約について一定のガイドラインを示すために、国土交通省(旧・建設省)が昭和57年に作成したマンション管理規約のモデルのこと。
現在は名称が変更され、「マンション標準管理規約」となっている。

  • 標準媒介契約約款 

国土交通省が定めた標準的な媒介契約の契約条項のことである。
媒介契約に関しては、宅地建物取引業法第34条の2で具体的な規制が行なわれているが、さらに消費者保護の観点から標準的な契約条項を普及させることが必要と考えられたので、建設省(現国土交通省)は、住宅宅地審議会の答申を踏まえて、「標準媒介契約約款」を作成し、告示したものである〔昭和57年5月7日建設告示第1110号(最終改正平成9年1月17日)〕。

宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合においては、宅地建物取引業法施行規則第15条の7第4号により、「標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別」を契約書に記載しなければならない。
従って法律上は、宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合に「標準媒介契約約款」を使用しないことも可能とされている。

ただし「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方「(国土交通省のガイドライン)では、「媒介契約制度の的確な運用を図るため、宅地建物取引業者間の大量取引における販売提携、販売受託等の特殊な事情のあるものを除き、標準媒介契約約款を使用することとする」と明言されている。

従って国土交通省は「標準媒介契約約款」を使用するよう指導していると言うことができる。 

  • 表題登記 

一筆の土地または一個の建物に関して、最初になされる表示登記のこと。
新築された建物などの場合、登記記録そのものが存在していないので、登記記録そのものを新規に作成する手続が必要になる。
この場合、新規に登記記録を作成するには手順として、まず表題部を作成する必要があり、このような登記を「表題登記」と呼んでいる。

建物の新築の場合、表題登記は建築後1ヵ月以内に申請しなければならない。1ヵ月以内に申請しない場合は過料に処せられる(ただし1ヵ月経過後も表題登記の申請はでき、申請義務がある)。

なお「表題登記」という用語は、従来は使用されていなかったが、不動産登記法の全面改正(平成17年3月7日施行)により新たに導入されたもの

  • 表題部所有者 

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録において、まだ所有権保存の登記がされていない時点で、表題部に所有者として表示されている者のこと

  • ビルトイン 

あらかじめ壁面などに組み込んで用いられる方式、すなわち造り付けのこと。ビルトインエアコン、ビルトインクローゼットなどがよく見られる。室内における出っ張りを減らし、すっきりと美しく納めることができる。 

  • ピロティ 

本来はフランス語で「杭(くい)」のこと。そこから派生して、建築物を柱だけで支え、1階部分が自由に通り抜けできるようになった建築スタイルのことを「ピロティ」と称するようになった。

現在の建築用語では、1階部分の一部にあり、2階の重みを柱だけで支えた空間のことを「ピロティ」と呼んでいる。

このピロティは駐車スペースや作業場に使用しやすいので、オフィスビルやマンションで多用されている。

また一戸建て住宅でも、2階部分を1階部分より大きくすることで、1階にピロティを設け、駐車スペースとすることがある。 

  • ピロティの面積 

ピロティの面積は、建築基準法では次のように扱われる。
1)床面積の計算
主に通行専用の用途であれば、建築基準法上の「床面積」に含まない。
しかし自動車車庫として使用する場合には「床面積」に含めなくてはならない。
2)建築面積(いわゆる建坪)の計算
ピロティは建築面積に含める必要がある。

  • 品確法 

住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人と新築住宅の売主に10年間の瑕疵担保責任を義務付ける法律。平成12年4月から施行されている


 フ

  • フーチング 

基礎の底部を幅広くした構造のこと。
断面は「T」の字を逆さまにしたような形状となる。

このフーチングを地盤面の下に埋め込むことにより、基礎全体を水平方向に安定させると同時に、地盤の支持力を高めている。 

  • ファサード 

建物(主に店舗)を正面から見た場合の外観のこと

  • VOC 

英語のVolatile Organic Compoundsの頭文字を並べたもの。常温で揮発する有機化合物(揮発性有機化合物)のことで、代表的なVOCとしては、ホルムアルデヒド、クロルピリホス、トルエン、キシレン、ベンゼン、スチレンなどがある。
これらのVOCは、建材や家具の塗料・接着剤・樹脂として、また防虫剤・防蟻剤として現在広く利用されている。

VOCは空気中の濃度が一定以上になるとごく微量であっても臭気、目・鼻・喉への刺激、めまい、頭痛などを引き起こすものであり、化学物質過敏症の原因になるとも考えられている。高濃度になると発ガン性を持つとされる。シックハウスの症候群の主要な原因物質である。

こうしたVOCに関して厚生労働省医薬局審査管理課化学物質安全対策室では、現時点で入手可能な毒性についての知見から、人がその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値(濃度指針値)を次のように定めて公表している。

ホルムアルデヒド:1立方メートルあたり0.1ミリグラム(濃度に換算して0.08ppm)以下
トルエン:1立方メートルあたり0.26ミリグラム(濃度に換算して0.07ppm)以下
キシレン:1立方メートルあたり0.87ミリグラム(濃度に換算して0.20ppm)以下
パラジクロロベンゼン:1立方メートルあたり0.24ミリグラム(濃度に換算して0.04ppm)以下
エチルベンゼン:1立方メートルあたり3.8ミリグラム(濃度に換算して0.88ppm)以下
スチレン:1立方メートルあたり0.225ミリグラム(濃度に換算して0.05ppm)以下

こうした人体に悪影響を与えるVOCの実態を把握するため、国土交通省では平成12年度に全国約4,500戸の住宅を対象とする実態調査を行なった。その結果は次のとおりであった。
1)ホルムアルデヒド(濃度指針値0.08ppm)の平均濃度は0.071ppm。指針を超える住宅は約27.3%あった。
2)トルエン(濃度指針値0.07ppm)の平均濃度は0.038ppm。指針を超える住宅は約12.3%あった。
3)キシレン(濃度指針値0.20ppm)の平均濃度は0.005ppm。指針を超える住宅は約0.13%あった。
4)エチルベンゼン(濃度指針値0.88ppm)の平均濃度は0.008ppm。指針を超える住宅はなかった。

このような実態調査等にもとづき、国では平成14年7月12日に建築基準法を改正・公布し、居室(住宅だけでなく職場・学校等を含む)におけるVOCの規制を開始することとなった

  • 風致地区 

風致地区は「都市の風致を維持するために定める地区」である(都市計画法第9条)。

風致地区は、都市の内部にありながら公園・庭園・寺院・神社などを中心として緑豊かな環境が残っているエリアについて、環境の保護のために指定されることが多い。

風致地区では、地方公共団体の条例によって、建築物の高さ、建ぺい率などが厳しく規制され、緑豊かでゆとりのある環境が維持されている(都市計画法第58条)。 

  • 付加一体物 

抵当権の効力は「不動産に付加してこれと一体を成したる物」に及ぶとしており、これを通常「付加一体物」と呼んでいる(民法第370条)。
この付加一体物とは、具体的には、土地の附合物、建物の附合物、建物の従物、土地の従物である。

  • 不完全履行 

債務不履行のひとつ。債務の履行がなされたが、債務者の故意または過失により、その履行が完全なものでないことをいう。 

  • 吹抜け 

2つ以上の層にまたがって設けられる室やスペースのこと。階段室は言うまでもなく吹抜けだ。風や熱の吹き抜けが容易で、また遮蔽するものがないために、開放的で快適な空間を生み出す。冷暖房効果を高めるために、天井扇を付けることが望まれる。

  • 復代理 

代理人がその代理権限の範囲内で、さらに代理人を選任することを「復代理」と言う。この場合に選任された代理人は「復代理人」と言う。(民法第104条から第107条)

  • 復代理人 

代理人は、本人から与えられた権限内の行為の全部または一部を、他の者を選任して行なわせることができる。
このとき、代理人から選任された他の者を「復代理人」という。

1)復代理人の代理権の範囲
復代理人の権限は、本来の代理人(原代理人という)から与えられた範囲に限定される。このため原代理人が与えた権限の範囲を復代理人が逸脱した場合には、復代理人の行為は無権代理となる。また原代理人の代理権が消滅すれば、復代理人の代理権も消滅するものと解されている。

2)復代理人の代理行為の効果
復代理人の代理行為については、その法律効果は、直接、本人に帰属することとされている。つまり復代理人は、原代理人を代理するのではなくて、本人を直接的に代理するものとされている(民法第107条第1項)。

3)復代理人がいるときの原代理人の地位
復代理人を選任した後においても、原代理人が本人を代理することには何ら変化がない。原代理人の代理権は従来の通り存続する。

4)原代理人(任意代理人)による復代理人の選任と監督責任
本人と原代理人の関係が「任意代理」である場合は、本人は原代理人を特別に信任しているのだから、原代理人が復代理人を選任することは原則的に許されない。選任できるのは「本人の許諾があるとき」と「やむをえない事情があるとき」に限られる(民法第104条)。
こうして復代理人を選任した場合には、原代理人は選任したことの反面として、復代理人の非行(例えば義務違反)に対して、原代理人が責任を負わなければならない(民法105条第1項)。ただし「本人の許諾があるとき」は、原代理人の責任は軽減されている(民法第105条第2項)。

5)原代理人(法定代理人)による復代理人の選任と監督責任
本人と原代理人の関係が「法定代理」である場合は、原代理人は法律上当然に代理人となったのであり、その代理権の範囲も広範・多岐にわたる。そのため、原代理人が復代理人を選任することは自由とされている(民法第106条)。
こうして復代理人を選任した場合には、原代理人は選任したことの反面として、復代理人の非行(例えば義務違反)に対して、原代理人が責任を負わなければならない(民法105条第1項・第106条)。なお、原代理人の責任を軽減する民法第105条第2項の規定は、法定代理人である原代理人には適用されない(民法第106条)。

  • 袋地 

ある土地が他の土地に囲まれているために、公道に出るには他の土地を必ず通行しなければならない場合には、この囲まれている土地のことを「袋地(ふくろち)」と言う。

  • 附合物 

不動産(または動産)に附合した動産のことを「附合物」という(民法第242条)。
具体的には、分離できない造作は建物の附合物であり、取り外しの困難な庭石は土地の附合物である。従って附合物は「構成部分」と言い換えることもできる。

附合物は不動産の構成部分であるから、不動産を売買すれば当然に附合物を売買したことになり、また不動産に抵当権を設定すれば、当然に抵当権の効力は附合物に及ぶことになる

  • 不在者の財産管理 

不在者とは、住所または居所を去って、容易に帰ってくる見込みがない者をいう。不在者は失踪宣告を受けた者を含み、失踪宣告を受けた者よりも広い概念である

  • 付属建物 

建物に付属した建物のこと。主たる建物に付属した小屋・勉強部屋・作業部屋・物置・便所などであり、建物登記簿上は表題部に「付属建物」として登記される(未登記の場合も多い)。

付属建物は、通常は建物の従物であると考えられるので、建物が売買されれば附属建物も同時に売買されることになる(ただし当事者で異なる合意をすることは可能)。

また、付属建物は、通常は建物の従物であると考えられるので、建物が登記されれば、附属建物が未登記であっても、登記の対抗力は附属建物に及ぶとされるし、建物に抵当権を設定した場合には、付属建物にも抵当権の効力が及ぶとされる。

  • 負担水準 

その年度の、土地の固定資産税課税標準額決定する際に必要となる数値である。具体的には次の式で求めた数値のことである。

「 前年度の土地の固定資産税課税標準額 ÷ (今年度の土地の固定資産税評価額×課税標準の特例率)×100%=負担水準 」

例えば、ある住宅用地(地積100平方メートル)の12年度・13年度・14年度における固定資産税評価額がすべて600万円であるとする。
またこの住宅用地の13年度における固定資産税課税標準額が70万円であるとする。
なおこの住宅用地は「小規模住宅用地」であるので、課税標準の特例率は6分の1である。

上記の例では、14年度におけるこの土地の負担水準は、次のように算出される。
「 負担水準=70万円÷(600万円×1/6)×100% =70% 」

したがって負担水準とは、その土地の課税標準額が、固定資産税評価額の比較から見てどの程度に達しているかを図る指標であると言うことができる。 

  • 負担付贈与 

受贈者が一定の給付をなすべきことを特約した贈与のこと(民法第553条)。

贈与は無償契約であるが、負担付贈与は負担(受贈者がなすべき給付のこと)の範囲内では有償契約に近いということができる。
そのため負担付贈与では、贈与者は、その負担の限度において、売り主の担保責任と同じ責任を負わなければならない(民法第551条)。

  • 復旧(区分所有法における~) 

区分所有物が、地震・火災・爆発などにより損害をうけた場合に、その損害を受けた部分を元の建物の状態に戻すことをいう。

専有部分の損害について、区分所有法および民法によれば、各区分所有者が専有部分を単独で所有しているので、原則的には区分所有者が単独で(集会の決議等を経ないで)専有部分の復旧を行なうことができるのであるが、実際には管理規約の定めにより、専有部分を復旧するには理事長の承認等の手続を必要としているケースがほとんどである。なお専有部分の復旧工事にかかる費用は、その専有部分の区分所有者の自己負担となる。

次に、共有部分の損害については、「小規模滅失」と「大規模滅失」により取り扱いが異なる。
1)小規模滅失の場合
損害を受けて効用を失った建物の部分(専有部分と共用部分の両方)の価格が、建物全体の価格の2分の1以下に相当する場合を「小規模滅失」という。
この小規模滅失の場合には、区分所有法の規定によれば、それぞれの区分所有者が単独で(集会の決議等を経ないで)、損害を受けた共用部分を復旧することができる(区分所有法第61条第1項)。しかし実際には、管理組合の集会の普通決議を経ることがほとんどである(区分所有法第61条第3項・第4項)。
共用部分の復旧工事にかかる費用は、共用部分の持分割合に応じて区分所有者全員が費用を分担する(区分所有法第61条第2項)。

2)大規模滅失の場合
損害を受けて効用を失った建物の部分(専有部分と共用部分の両方)の価格が、建物全体の価格の2分の1を超える場合を「大規模滅失」という。
この場合には、復旧を行なうためには、区分所有者の集会の特別決議(区分所有者数の4分の3以上および議決権の各4分の3以上の賛成)により可決した場合にのみ、共用部分の復旧を行なうことができる(区分所有法第61条第5項)。
このように大規模滅失については、復旧にかかる費用が巨額であること、建物自体の建替えも検討する必要があること等により、特別多数の賛成が要件とされている。

なお、大規模滅失における復旧決議に賛成しなかった区分所有者は、復旧決議に賛成した区分所有者に対して、自己の所有する建物および敷地に関する権利を、時価で買い取るように請求することができる(区分所有法第61条第5項・第8項)。
これは復旧に参加する意思のない区分所有者がすみやかに区分所有建物の権利関係から離脱できるように配慮した規定である。

なお、上記の「小規模滅失」および「大規模滅失」のどちらについても、集会における区分所有者数の5分の4以上及び議決権の5分の4以上の賛成により、区分所有建物の「建替え決議」を可決して、建物全部を建て替えることも可能である(区分所有法第62条)。 

  • 普通決議 

分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合の集会で議案を議決する際に、通常の議案について過半数の賛成により可決することを「普通決議」という。
この反対に、特に重要な議案について4分の3以上の賛成などの特別多数の賛成により可決することは「特別決議」と呼ばれる。

区分所有法では、「集会での議案の議決は、原則として区分所有者数の過半数及び議決権の過半数の賛成で可決する」という旨を定めている(区分所有法第39条第1項)。
従って、通常の議案については、区分所有者数の過半数と議決権の過半数の賛成があれば可決できることになり、こうした決議方法を「普通決議」と呼んでいるのである。

ただし実際には、管理組合の集会において、区分所有者の出席が少なく(かつ書面による権利行使や代理人の選任も行なわれず)、上記のような過半数の決議要件を満たすことが困難なケースもある。こうした場合に備えて、管理組合が管理規約において、普通決議の要件を「過半数」よりもあらかじめ緩和しておくことも可能とされている(区分所有法第39条第1項)。

  • 普通借地権 

借地借家に関する法制度は、かつては借地法・借家法の二本立てであったが、平成4年8月1日に借地借家法が施行されたことにより、一本化された。

この新借地借家法(平成4年8月1日施行)にもとづく借地権であって、定期借地権ではない借地権のことを「普通借地権」と呼ぶ。

これに対して、旧借地法にもとづく通常の借地権のことを「旧法上の借地権」と呼ぶことがある。

普通借地権と旧法上の借地権の間には、次のような違いがある。

1)旧法上の借地権は、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には、非堅固な建物(木造を指す)については存続期間を30年とし、堅固な建物については存続期間を60年としていた。
しかし普通借地権では建物の堅固・非堅固による区別がなく、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には存続期間を30年とした。
2)旧法上の借地権は、建物が老朽化し、朽廃した場合には、借地権が自動的に消滅することとされていた(旧借地法第2条、第5条)。しかし普通借地権にはこうした朽廃による消滅の規定がない。

このようにいくつかの相違点があり、しかも現在でも、旧法上の借地権による借地と普通借地権による借地が並存しているため、不動産広告等では両者の違いを明記することが多い。 

  • 物上保証人 

ある人(A)が他の人(B)に対して債権を有している場合に、Aが債権を保全する手段のひとつとして、「第三者(C)の財産に対してAが抵当権をつける」ことがある。
これは第三者Cが、Cの財産をBのために差し出すということであり、このような方法による債権の担保を「物上保証」という。またこのときのCを「物上保証人」という。

  • 不動産 

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

  • 不動産鑑定 

不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号)に基づき、不動産鑑定士または不動産鑑定士補が不動産の経済価値を判定することを言う。

不動産の経済価値を判定する方法としては、金融機関による担保評価や、不動産会社による簡易査定などがあるが、不動産鑑定は公式かつ最も信頼性の高い方法であると言える。

地価公示における標準地の評価や、都道府県地価調査おける基準地の評価は、不動産鑑定によって行なわれる。

また民事裁判において、相続された不動産の評価や、金融機関が担保とする不動産の評価が問題になるケースでは、不動産鑑定士または不動産鑑定士補に依頼し、不動産鑑定を行なうのが一般的である。

  • 不動産鑑定士 

国土交通省が毎年実施する不動産鑑定士試験のすべてに合格し、国土交通大臣への登録を受けた者を不動産鑑定士と言う。不動産鑑定士の登録を受けるには、不動産鑑定士試験の3次試験に合格し、2年以上の実務経験があることが必要である。

不動産鑑定士は職務上高度な倫理が求められるので、法律(不動産の鑑定評価に関する法律)の規定により、故意に不当な鑑定評価をした場合には、登録抹消などの厳しい懲戒処分が行なわれる。

また不当な鑑定評価をした疑いが生じた場合には、誰でも、知事または国土交通大臣に対して調査等を行なうように要求することができる(不動産の鑑定評価に関する法律第42条)。 

  • 不動産鑑定士補 

国土交通省が毎年実施する不動産鑑定士試験の一部に合格し、国土交通大臣への登録を受けた者を不動産鑑定士補と言う。不動産鑑定士補の登録を受けるには、不動産鑑定士試験の2次試験に合格し、2年以上の実務経験があることが必要である。

不動産鑑定士補は職務上高度な倫理が求められるので、法律(不動産の鑑定評価に関する法律)の規定により、故意に不当な鑑定評価をした場合には、登録抹消などの厳しい懲戒処分が行なわれる。

また不当な鑑定評価をした疑いが生じた場合には、誰でも、知事または国土交通大臣に対して調査等を行なうように要求することができる(不動産の鑑定評価に関する法律第42条)。 

  • 不動産鑑定事務所 

不動産鑑定を専門とする事務所のこと。法律(不動産の鑑定評価に関する法律)上の名称は「不動産鑑定業者」である。

不動産鑑定事務所は、少なくとも1名以上の不動産鑑定士を雇用しなければならない。ただし不動産鑑定事務所の代表者は不動産鑑定士でなくともよい。
不動産鑑定事務所は知事または国土交通大臣への登録を受けなければならず、毎年1回、事業の実績を知事または国土交通大臣へ報告する義務がある。

法律(不動産の鑑定評価に関する法律第31条)の規定により、この事業実績の報告書は、都道府県庁または国土交通省で一般人が閲覧することができる。 

  • 不動産質 

不動産に質権を設定することを不動産質という。不動産質権を取得した債権者(=不動産質権者という)は、不動産を使用収益して利益をあげることができるが、その反面、債権の利息を債務者に請求することができないという特徴がある。ただし当事者がこれと異なる特約をした場合には特約が優先する(民法第356条から第359条)。

また不動産質権の存続期間は10年以内とされており、存続期間終了時には10年以内の期間で更新することができる(民法第360条)。

  • 不動産収入 

不動産収入とは、家賃収入、管理費収入、共益費収入、礼金収入、駐車場使用料収入などのことである。

  • 不動産取得税 

不動産を有償または無償で取得した場合や改築等により不動産の価値を高めた場合に、その取得者等に課税される地方税のことである。
不動産の所在地の都道府県が課税の主体となるので、実際の徴収事務は都道府県が行なうこととされている。

不動産取得税の税率は原則的に「不動産の固定資産税評価額の4%」とされている。

ただし「住宅の建物部分」に係る不動産取得税については「建物部分の固定資産税評価額の3%」とされている(地方税法附則第11条の2)。
ちなみにここで言う「住宅」には別荘を含まない。ただし週末を過ごすため郊外に購入した2つめの住宅や、勤務地の近くに購入した2つめの住宅といったいわゆる「セカンドハウス」はここで言う「住宅」に含まれる。

なお、一定の要件を満たす「住宅の建物部分」や一定の要件を満たす「住宅用土地」については、不動産取得税の税額そのものの大幅な軽減措置が設けられている。

不動産取得税は原則的には、不動産を取得した者に対して、不動産の取得の日において課税される(地方税法第73条の2第1項)。
ただし、新築によって建物を取得した場合には「最初に使用された日」または「譲渡された日」が「取得の日」とみなされて、その日における所有者が納税義務を負うケースがある(地方税法第73条の2第2項)。具体的には次のとおりである。

1)「最初に使用された日」が「取得の日」となるケース
賃貸業を行なう個人が、建築業者に賃貸建物を新築させた場合には、新築の日ではなく、最初に借家人が使用した日が「取得の日」となる。
また一般の個人が建築業者に自己の居住用の建物を新築させた場合には、新築の日ではなく、最初にその個人が入居した日が「取得の日」となる。

2)「譲渡された日」が「取得の日」となるケース
建売分譲業を行なう会社が、建築業者に建売住宅を新築させた場合には、新築の日ではなく、建売住宅が販売された日に課税される。このとき納税義務者は建売住宅の購入者となる。

なお、上記1)、2)の場合において、新築の日から6ヵ月を経過しても、最初の使用や譲渡が発生しない場合には、その6ヵ月を経過した日が「取得の日」とみなされる。

  • 不動産所得 

不動産の貸付けによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。

  • 不動産登記制度 

不動産に関する所有権等の権利の取得・消滅を、第三者に対して公示するために、登記記録を作成し、登記記録を登記所に備え付けて一般に公開する制度のこと。

この制度により不動産の物的状況・権利関係が一般に公示され、不動産の取引を安全に行なうことが可能となっている。 

  • 不動産登記簿 

不動産の物的状況や権利関係を公示するために、登記所に備え付けられた書類のこと。
不動産登記簿には、建物登記簿と土地建物登記簿の2種類があり、どちらもその不動産を管轄する登記所に保管されている。

不動産登記簿は、1個の不動産ごとに1組の登記用紙を使用し、多数の不動産の登記用紙をまとめて1冊のバインダーに綴じ込んだものである。
1組の登記用紙は「表題部」「甲区」「乙区」という3つの部分から構成されている。
「表題部」は不動産の物的状況を記載した部分である。「甲区」にはその不動産の所有権に関する事項、「乙区」にはその不動産の所有権以外の権利(賃借権・抵当権等)に関する事項が記載されている。

不動産登記簿は誰でも自由に閲覧することができ、また誰でも登記簿の写しを自由に入手することができる。 

  • 不動産投資信託 

不動産を運用対象とする投資信託のこと。アメリカでは「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとって「REIT」(リート)と呼ばれている。

不動産投資信託(リート)は、もともと1960年にアメリカで生まれた金融商品である。不動産投資信託(リート)の基本的な仕組みは、多数の投資家から資金を集め、不動産投資信託を運営する「投資法人」がその資金を不動産(オフィスビルなど)に投資し、不動産から生ずる賃料収入などを投資家へ配分するというものである。

この不動産投資信託(リート)の最大の特徴は、投資法人が獲得した利益について、その利益のほとんどを投資家へ還元するならば、投資法人にかかる法人税は免除されるという点である。つまり投資法人は不動産と投資家との間を橋渡しする単なる器(うつわ)にすぎないという考え方により、投資法人自体は法人税非課税とされているのである。

1960年にアメリカで誕生したリートの市場は1990年代に入って急拡大し、アメリカでは200以上のリートが株式市場に上場されて、有力な金融商品となっている。

これに対して、かつて日本国内では法律上の問題から不動産投資信託(リート)を設立することができなかったが、平成12年に従来の「証券投資信託法」が改正され、「投資信託及び投資法人に関する法律」(改正投信法)となったことにより、日本でも不動産投資信託(リート)が解禁された。

日本国内での投資信託の対象となる資産は、従来は有価証券(株式、社債など)に限定されていたが、この平成12年の法改正により、投資信託の対象資産に、不動産が加えられた。これにより日本でも、不動産を対象とする投資信託が初めて可能になったのである。この法改正によって登場した不動産を運用対象とする投資信託は「不動産投資信託」「日本版リート」「Jリート」等と呼ばれている。

このような日本の不動産投資信託には、法的な仕組みとして、会社型投資信託と契約型投資信託の2種類があるが、現在のところ会社型投資信託が大半を占めている。また日本の不動産投資信託は、証券取引所に上場することが可能とされており、平成13年(2001年)9月10日の初上場以来、既に多数の不動産投資信託が東京証券取引所および大阪証券取引所に上場され、通常の上場株式と同様に毎日売買されている。

日本の不動産投資信託(会社型)では、投資主体である会社は「投資法人」と呼ばれ、その会社に出資する投資家は「投資主」と呼ばれる。また実際に不動産の取得・運用・売却を指揮する不動産投資のプロフェッショナルは「投資信託委託業者」と呼ばれている(投資信託委託業者は「資産運用会社」とも呼ばれる)。

最後に、日本の不動産投資信託に投資する際のポイントをいくつか挙げたい。
第1に、投資口(投資家が投資法人に出資する単位。普通の会社における株式に相当する)が20から100万円程度に設定されており、比較的購入しやすいものとなっている。

第2に、投資法人から投資家へ還元される分配金(通常の会社では配当金に相当する)は投資口価格(通常の会社では株価に相当する)に対して、3~4%という高水準にある。このため、預貯金や国債と比較して高い利回りを期待することができる。ただし投資口価格の下落による損失の危険もあることに留意したい。

第3に、投資法人の投資先はオフィスビル・商業ビル・賃貸マンションなど多岐にわたるが、各投資法人ごとに特色があるので、投資口を購入する際に各投資法人の運用方針を、「資産運用報告書」などで理解しておくのが望ましい(資産運用報告書は各投資法人のホームページで公開されている)。

第4に、投資法人は、資金を投入した不動産に関する情報の開示(ディスクロージャー)を法律により義務付けられている。具体的には、投資信託法(および政令)により「資産運用報告書」を開示しなければならない。この運用報告書には、投資対象であるひとつひとつの物件の稼働率・賃料収入が明記されている。ただし物件に入居しているテナントの名称までは開示されない(ごく一部の大口テナントの名称は有価証券報告書に記載される)。投資口を購入する際には、こうした物件の稼働率をチェックしておきたい。

第5に、投資法人の売上は、賃料収入と不動産の売却益から構成される。その反面、保有する不動産の時価の上昇・下落は売上高には算入されない。そこで不動産の購入価格(簿価)と不動産の時価とのズレに関する情報を投資家に開示する必要が生じる。この点、上場された不動産投資信託については「有価証券報告書」において、不動産鑑定士の鑑定による会計期末の各物件の時価を表示することが投資法人に義務付けられているので、投資口の購入の際の参考とすることができる。 

  • 不動産特定番号(不動産登記における~) 

平成17年3月7日に施行された新しい不動産登記法により導入された、すべての土地、すべての建物に付与される番号のこと。

  • 不動産の時価評価 

主に上場企業が保有する不動産を「時価」で評価し、上場企業の財務内容を投資家に対して適正に開示することをいう。

従来わが国では、上場企業の財務諸表を作成する場合には、不動産は取得価額で評価することが原則とされており、不動産の価格が上昇あるいは下落したとしても、その評価益や評価損を当期利益に含めて計上する必要は原則としてなかった。

そのため業歴の長い企業では多額の土地の含み益を内部に抱え込んでいることが多く、投資家からはその含み益が判断しにくいという問題があった。

また近年のように不動産価格が大幅に下落する局面では、販売用不動産や固定資産に多額の含み損が発生しても、その評価損が外部に開示されないため、投資家にとってはやはり有用な情報が得られないという問題があった。

  • 不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約) 

不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。

この表示規約が最初に作られたのは昭和38年のことであり、その後、10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社にひろく遵守されている。

この表示規約の改正作業や、表示規約に違反した不動産会社への警告などを行なっているのは、全国各地に設立されている「不動産公正取引協議会」である。

  • 不動産保存の先取特権 

「不動産保存の先取特権」は民法第326条に定められた権利である。
不動産に関する権利の保存費用を負担した人がいる場合に、その人がその旨を登記すれば、先取特権が発生し、不動産を競売して保存費用を取り戻せるという権利である。

実際には、建物新築を請け負う建設会社が、棟上げを終えると同時に、この「不動産保存の先取特権」を登記し、棟上時から完成時までの間の建築費を「不動産保存費」として確保することが多い。

この「不動産保存の先取特権」を登記すると、それ以前に登記された抵当権よりも優先するとされている(民法第339条)。

そのため、建設会社が金融機関に対抗する有力な法的手段として多用されている。 

  • 不同沈下 

建物荷重や外力の作用によって、場所によりむらがある沈み方で地盤下に沈下する現象。傾斜や地盤の状況、基礎の形状等が原因となり、地震時に軟化現象等を引き起こすことによって起きる。建築物の構造に障害を引き起こす可能性のある場合は、地盤改良、基礎形状の見直し等有効な対策を講じる必要がある。 

  • プラスター 

鉱物性の粉末と水その他の材料を練り合わせ液体状の材料で、時間の経過とともに硬化するもの。左官材料などに用いられる。
英語では「plaster」と表記する。

  • プラスターボード 

石膏を心材とし、両面をボード用原紙で被覆した板のこと。
施工が簡単で、温度・湿度による変化が非常に少ないことから、壁材、天井材(あるいは壁・天井の下地材)として多用されている。

  • プレイロット 

おおまかには、都市における幼児対象の幼児公園のこと。砂場やブランコ、滑り台などの静的な遊具を設けて、幼児のための遊び場とする。特に、団地やマンション等の敷地内における、乳児用を対象とした簡単な遊び場のことをいう。 

  • プレキャストコンクリート 

英語表記は「Precast Concrete」。
工場であらかじめ製作された鉄筋コンクリートパネルのことである。
現場で鉄筋コンクリートの壁等を製作するには時間と費用がかかるが、プレキャストコンクリートを使用することによって建築に要する時間とコストを大幅に削減することが可能となった

  • フレックスウォール 

建築物の内部空間を区画するために設けられる開閉可能な間仕切りのこと。可動間仕切りとも呼ばれる。

フレックスウォールは、ひとつの部屋を必要に応じて2つに仕切ることができる。
フレックスウォールには、アコーディオン式(折り戸式)のものや、引き戸式のものなどさまざまなな種類がある。

また小窓のついた家具調のものや、床から天井まで隙間無く覆う壁のようなものなど、形状もさまざまである。 

  • プレハブ住宅 

現場での施工の前に、あらかじめ工場で部材の加工、組立を行ない、それを現場で組み立てる住宅。生産性の向上、質の均一性、精度の向上を目的とし、現場作業を軽減させることから工期も短縮できる。また、工場生産により価格が抑えられることなどの特徴がある。 

  • フローリング 

木板や木質材料による床板のことを一般に「フローリング」という。

フローリングには、単層フローリング(無垢材(一枚の厚い天然木単板)を多数敷き詰めたもの)と、複合フローリング(単板を重ねて表面に天然木単板を接着した板材を多数敷き詰めたもの)の2種類がある。

近年では、コストが安く、変形・伸縮が少ない複合フローリングが主流となっている。

フローリングには下階に床衝撃音が響くという短所がある。これを克服するには、フローリングとクッション材を複合した商品(複層フローリング)を使用することが有効である。 

  • 風呂がま 

浴槽にためた水をガスで瞬間的に加熱し、風呂を沸かす機器のこと。「ガス風呂がま」とも言う。
風呂がまは、ガス給湯器の一種ではあるが、台所・洗面台への給湯機能は持たず、風呂の湯沸し機能・追いだき機能・沸かし直し機能だけを持つ。またシャワー機能を備えている機種とそうでない機種がある。

  • プロムナード 

遊歩道、散歩道のこと。タイル舗装したり、洒落たストリートファニチャーを設置したり、植裁を施したりして、商店街の活性化を図り、またビルの間道をやすらぎ空間として利用する事例が増えてきている。

  • 文化財保護法 

文化財を保存・活用することを目的とし、従来の「国宝保存法」「史跡名勝天然記念物保存法」などを統合して昭和25年に制定された法律。

  • 分割登記 

一個の建物を数個の建物に分ける登記のこと。
建物に付属建物(離れなど)がある場合、分割登記により別々の建物として登記記録を作ることができる。 

  • 文教地区 

特別用途地区のひとつ。
教育施設の周囲や通学路において、教育上好ましくない業種(例えばパチンコ店や風俗店など)の進出を規制するという地区である。

市町村が指定する地区であり、建築規制の内容は市町村ごとの条例で定められる(建築基準法第49条)。

従って文教地区の詳細を知りたい場合には、市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある。 

  • 分電盤 

配電盤より配電された幹線を、分岐する箇所に設置する装置。分岐配線するという役目だけではなく、保守点検を行ないやすくするという利点も兼ね備えている。 

  • 分配金 

不動産投資信託の投資法人おいて、利益の分配として投資家に対して支払われる金銭のこと。通常の株式会社でいえば「配当金」に類似する。

分配金は、投資法人の会計期間の終了後に支払われる。不動産投資信託の投資法人の会計期間は通常6ヵ月に設定されているので、不動産投資信託の購入者(すなわち投資主)は、通常、年2回「分配金」を受け取ることができる。

分配金の原資となるのは原則として、投資法人の「当期純利益」である。当期純利益とは、その会計期間中の所得(税引前当期利益)から、法人税等を差し引いた後に残る、最終的な利益を指している。

また分配金の原資に関しては、出資総額(通常の会社でいえば資本金・資本準備金に相当)を原資にあてることも法律上は可能である。これは「出資の払い戻し」と呼ばれる。ただし現在のところ、上場されている不動産投資信託では出資の払い戻しは行なわれていない。

ところで投資法人には、投資法人の課税の特例(租税特別措置法第67条の15)により、法人税が事実上ほぼ免除されるという特長がある。
すなわち投資法人では、税引前当期利益(税法上の所得)の90%超に相当する額を、投資主へ分配金として支払うならば、その分配金に相当する額を法人税法上の「経費」として計上することができる。

具体的には、例えば、ある投資法人の1会計期間(6ヵ月)の税引前当期利益(税法上の所得)が100億円、分配金が99億円、法人税等の税率が40%であったとしよう。
この場合、分配金を損金(経費)扱いできるので、投資法人が支払うべき法人税等は(100億円-99億円)×40%=4,000万円となる。その結果、当期純利益は100億円から4,000万円を差し引いた残額、すなわち99億6,000万円となる。

このような「投資法人の課税の特例」により法人税等が事実上ほぼ免除されるので、投資法人では「税引前当期利益」、「分配金」、「当期純利益」がほぼ等しいという現象が起きる。上記の設例でいえば、税引前当期利益は100億円、分配金は99億円、当期純利益は99億6,000万円である。

実際に、上場されている不動産投資信託では、税引前当期利益(税法上の所得)の100%近くを分配金にあてていることが多い。

なお、分配金の金額は、会計期間終了後2ヵ月以内に投資法人の役員会で正式に決定される。
上場された不動産投資信託の過去の実績を見ると、投資口価格いわゆる株価に相当)に対して3%~5%に相当する金額が、(投資口1口当たりの)分配金の1年間の合計として支払われている。 

  • 分筆 

土地登記簿上で一筆の土地を、数筆の土地へと分割すること。

  • 分筆登記 

一筆の土地を分割して数個の土地にするという登記のこと。

 

 

  • ペアガラス 

複層ガラスともいう。遮音性・断熱性を高めるため、ガラスを二重にしたサッシのこと。結露を防ぐ性能をもつタイプもある。 

  • ベイウィンドウ 

出窓(張出し窓)のこと。もともとはサンフランシスコで湾の景色を見るために設けられたベイビューウインドウのことであったが、現在は出窓の総称として使われる。
長方形、多角形、弓形等がある。 

  • 閉鎖登記簿 

一筆の土地または一個の建物の登記記録が閉鎖された場合に、その閉鎖された登記記録が保存される帳簿(または磁気ディスク)のこと。
一筆の土地または一個の建物に登記記録が閉鎖されるのは、土地が合筆される場合、建物が滅失した場合などがある。

また、登記所がコンピュータ化し、従来の紙の登記簿が磁気ディスクの登記簿へ置き換えられるのに伴い、従来の紙の登記簿そのものが閉鎖される。これも「閉鎖登記簿」という。

こうした閉鎖登記簿は、土地登記簿で50年間、建物登記簿で30年間保存されている。希望すれば、閉鎖登記簿の閲覧や、閉鎖登記簿の謄本(閉鎖謄本)の交付を受けることもできる。 

  • 閉鎖謄本(不動産登記における~) 

閉鎖登記簿の写し(謄本)のこと。
現在、登記所の大半はコンピュータ化され、従来の紙の登記簿は、現在では磁気ディスクの登記簿へ置き換えられている。
しかし従来の紙の登記簿は、従来どおり登記所に閉鎖登記簿として保管されており、希望すれば閲覧したり、写し(謄本)の交付を受けたりすることができる。
閉鎖謄本の交付を受けるには、登記事項証明書・登記簿謄本抄本交付申請書の中に、「閉鎖登記簿」というチェック欄があるので、その欄をチェックし、必要事項を記入して提出する。 

  • 壁心 

建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。

この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。

建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用していると言うことができる(建築基準法施行令2条1項3号)。

なおこの「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。 

  • べた基礎 

基礎の底部がすきまなく連続し、基礎の底部が一枚の板状になっている基礎のこと。

  • ベランダ 

建物の壁面から突き出した床の部分。バルコニーとも言う。
バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共有部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。 

  • 変更登記 

不動産登記において、登記がなされた後に、登記と実体とにずれが生じた場合に、訂正するための登記のこと。登記名義人の住所変更の登記、登記名義人の氏名変更の登記などがある。 

  • 変更の登録 

宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、宅地建物取引主任者資格登録簿に登載された事項に変更があったときは、変更登録申請書を遅滞なく提出しなければならない。これを変更の登録という。

  • 変更の届出 

宅地建物取引業者に関する一定の事項を登載した名簿(宅地建物取引業者名簿)の登載事項について変更が生じた場合に、宅地建物取引業者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第9条)。

  • ペントハウス 

次の2つの意味がある。
1)建物の最上階に設けられた非常に高級な部屋
2)建物の屋上に造られた階段室・昇降機塔などのこと
わが国では主に2)の意味で用いられる。

なお、わが国の建築基準法では、建築面積の8分の1までの広さのペントハウス(2の意味)は、建築物の高さ及び階数に原則的に算入しないという特例がある(建築基準法施行令第2条)。 

 


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  • ポーチ 

建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇(ひさし)を持ち、建物の外壁から突き出している部分を「ポーチ」と言う。(建築用語では庇型ポーチと言う)
ただし、建物の外壁に大きなくぼんだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けた場合もその空間を「ポーチ」と言うことがある。(建築用語では寄り付き型ポーチと言う)

  • ポーチの面積 

一戸建て住宅の場合、ポーチの面積は、建築基準法では次のように扱われる。

1)床面積の計算
庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、主に通行専用の用途である限りは、建築基準法上の「床面積」に含まないこととされている。
しかしポーチが通行専用ではなく、例えば車庫や作業場として使用される場合には、建築基準法上の「床面積」に含める必要がある。

2)建築面積(いわゆる建坪)の計算
庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、建築面積に含める必要がある。

ただし庇型ポーチで、庇を支える柱がない場合には、庇が外壁から突き出した長さが1メートル以下であれば建築面積から除外される。

  • ホーム・エクイティー・コンバージョン・モーゲージ 

米国の住宅都市開発省(HUD)が1989年に開発したリバースモーゲージ商品のこと。住宅資産転換融資と訳される。また頭文字をとってHECMと略称される。
HECMでは、融資主体は各民間金融機関であり、連邦政府は高齢者の返済を保証するなどの形で融資契約に関与している。
民間金融機関にとっては、リバースモーゲージを高齢者に対して行なう際には、一括返済の最終的な期限が高齢者の死亡時とされるので、高齢者が長生きをすれば、その長い年月において担保不動産の価格が下落し、一部返済不能に陥る危険性が高くなる。
HECMではこのような民間金融機関の抱える不動産値下がりによる損失の可能性をなくすために、国が高齢者に代わって返済不能部分の返済を肩代わりするという保険の仕組みが設けられている。この保険は、FHA(連邦住宅庁)保険と呼ばれている。
このFHA保険などによってHECMはもっとも安全なリバースモーゲージ商品となり、米国のリバースモーゲージの利用者全体の約3分の2がこのHECMの利用者となっている。 

  • ホールダウン金物 

布基礎(ぬのきそ)にあらかじめ埋め込んでおく棒状の金物で、アンカーボルトよりも長い。
ホールダウン金物は、1階の床組の水平材(これを土台という)にあけておいた穴にとおして、柱の側面にボルトで締めて緊結する。つまりホールダウン金物は、柱と布基礎を緊結するものである。

特に3階建て住宅などでは水平方向の力がかかるときに柱が土台から浮き上がることがあるが、ホールダウン金物はこの浮き上がりを防止する効果がある。

  • ボウウィンドウ 

ベイウインドウの形状の一つで、弓形のものをボウウインドウという。bowとは弓(弓形)のこと

  • 防火構造 

建物の外壁や軒裏について、建物の周囲で火災が発生した場合に、外壁や軒裏が延焼を抑制するために一定の防火性能を持つような構造のことである(建築基準法2条8号)。
このため、防火構造は一般に「外壁・軒裏防火構造」と呼ばれることも多い。

  • 防火地域 

防火地域は、都市計画で指定される地域であり、火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法61条)。

  • 防災街区整備地区計画 

都市計画法第12条の4に規定する4種類の「地区計画等」のひとつ。密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に従い、都市計画によって定められる。

防災街区整備地区計画は、火事・地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために支障を来している地区について、公共施設などの防災機能を整備しようとする計画である。

防災街区整備地区計画を定めるための条件は、特定防災機能(火事または地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために必要とされる機能)を確保するだけの公共施設がないこと、特定防災機能に支障を来していること、用途地域が定められていること、である(密集市街地防災街区整備促進法第32条)。

  • 報酬額の制限 

宅地建物取引業者による媒介または代理によって、宅地建物の売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者から所定の報酬を受け取ることができる。

この報酬の額は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者と宅地建物取引業者の間で約定されるものである。
またこの報酬の額の上限は、宅地建物取引業法により国土交通大臣が告示で定めるものとされており(法第46条第1項)、宅地建物取引業者はその告示の規定を超えて、報酬を受けてはならないという制限がある(法第46条第2項)。

このような宅地建物取引業法の規定を受けて、昭和45年に建設省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める件」(いわゆる報酬告示)が告示されている(最終改正平成16年2月18日)。報酬額の制限の概要は次のとおり。

1)報酬が発生する場合
宅地建物取引業者の媒介または代理により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は依頼者に報酬を請求することができる(法第46条第1項)。
しかし、宅地建物取引業者自らが売り主または貸し主として売買・交換・貸借が成立した場合には、その売り主または貸し主である宅地建物取引業者は取引当事者の立場にあるので、買い主または借り主に報酬を請求することはできない。
またこの報酬は成功報酬と解釈されており、原則として売買・交換・貸借が媒介または代理により成立した場合にのみ報酬請求権が発生するとされている(標準媒介契約約款の規定等による)。

2)売買の媒介における報酬額の上限
売買の媒介の場合に、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることができる報酬額の上限は、報酬に係る消費税相当額を含めた総額で、次のとおりである(報酬告示第二)。

ア:売買に係る代金の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)のうち200万円以下の部分について…5.25%
イ:200万円を超え400万円以下の部分について…4.2%
ウ:400万円を超える部分について…3.15%

例えば、売買に係る代金の価額(建物に係る消費税額を除外)が1,000万円の場合には、200万円の5.25%、200万円の4.2%、600万円の3.15%で、10.5万円・8.4万円・18.9万円の合計として37万8,000円が依頼者の一方から受ける報酬額の上限となる(ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

3)交換の媒介における報酬額の上限
交換の媒介の場合には、交換する宅地建物の価額に差があるときは、いずれか高い方を「交換に係る宅地建物の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)」とする(報酬告示第二)。
例えば、A社がX氏と媒介契約を結んでX氏所有の800万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介し、B社がY氏と媒介契約を結んでY氏所有の1,000万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介して交換が成立したとすれば、A社の報酬額の上限は800万円でなく、1,000万円をもとに計算する。従ってA社の報酬額の上限は37万8,000円である(ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

4)貸借の媒介の場合
宅地または建物の貸借の媒介において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬の上限は原則として借賃(ただし借賃に係る消費税額を除外する)の1月分の0.525倍である。ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含んでいる(報酬告示第四)。
また、宅地建物取引業者が当該依頼者の承諾を得ているときは、最高で借賃の1月分の1.05倍を依頼者の一方から受けることができる。

なお、宅地または非居住用の建物(店舗・事務所など)の賃貸借において、権利金が授受されるときは、その権利金の額を上記2)の「売買に係る代金の額」とみなして、売買の媒介の場合と同様に報酬額の上限を算出することが可能である(報酬告示第六)。

5)代理の場合
売買・交換・貸借の代理において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬額の上限は、上記2)・3)・4)の2倍となる(報酬告示第三・第五)。

6)複数の宅地建物取引業者の関与
複数の宅地建物取引業者が関与する場合には、それらの業者の受ける報酬額の合計は、上記2)・3)・4)の2倍を超えることはできない。

7)特別の依頼に係る広告費用
依頼者が特別に依頼した広告の料金に相当する額は、上記の1)から6)のほかに、宅地建物取引業者が依頼者から受けることができる(報酬告示第七)。 

  • 法人 

法律により権利・義務の主体となることを認められた団体のこと。社団法人、財団法人、株式会社、学校法人、宗教法人などである。また名称が「組合」であっても、法人である場合がある(協同組合など)。
法人を設立するには法律の規定が存在することが必要であり、法律に定める要件を満たさない場合にはその団体は法人となることができない。

  • 法人格 

法人の権利能力のことを法人格という。法人は権利能力を有している(換言すれば法人格を有している)ので、権利義務の主体となることができる。
例えば、法人が法人名義で財産を取得したり、財産を法人名義で登記したり、契約を法人として締結することが可能である。

  • 法人学説 

本来、権利義務の主体となることができるのは人間(自然人)に限られ、法人は権利義務の主体となることができなかったのであるが、近代社会では当然のように法人を権利義務の主体と認め、法人に権利能力を付与している。その理論的根拠に関する学説を法人学説という。

主な法人学説には、法人実在説、法人擬制説、法人否認説あり、わが国の法制度は法人実在説に立脚しているとされている。

  • 法人の権利能力・行為能力 

民法第43条では「法人は法令の規定に従い、定款又はは寄附行為に定められた目的の範囲内において、権利を有し義務を負う」と規定している。
この規定は、法人の権利能力の範囲を制限し、それと同時に法人の行為能力の範囲をも定めた規定であると解されている(判例、通説)。

すなわち、定款または寄附行為に記載された目的を超えた行為を法人の代表機関=理事など)が行なった場合には、その理事などの行為は、法人の権利能力(および行為能力)の範囲を超えるので、その理事などの行為は法人に帰属しないという趣旨である。

しかしながら実際には法人の理事が一見「目的の範囲」を超える行為を行なうことは多く見られるので、これをどのように解釈すべきかが問題となる。

1:目的の範囲を一見超えていると見られる理事の行為
定款には記載のない種類の行為を理事が行なった場合について、判例では、「目的の範囲」を極力拡大して解釈することにより、理事の行為を法人の行為として法人に帰属させている(例えば会社の政治献金を「目的の範囲内」と解釈する。)

2:理事の不法行為
理事が「目的の範囲内」の行為によって、不法に他者に損害を与えた場合には、法人がその不法行為について損害賠償責任を負う(民法第44条第1項)。この場合にも、理事の職務行為を広く解釈することにより、法人の損害賠償責任の範囲を広く解釈する)。

  • 法人の不法行為責任 

民法第44条第1項では「法人の代表機関=理事など)が、定款または寄附行為に記載された目的の範囲内で、職務を行なって他人に損害を加えた場合には、法人がその損害賠償の責任を負う」旨を定めている。
この規定について、法人実在説立場からは、法人が社会的実在である以上、法人自身が不法行為を行なうことは当然にあり得るので、目的の範囲内で法人は損害賠償責任を負うのが当然であると解釈されている(ただし法人擬制説・法人否認説では理事の不法行為について、法人に責任を負わせた特例的な規定であると解釈されている)。

この法人の不法責任について、「理事などが職務を行なうについて他人に損害を加えた」という部分の解釈が重要である。
もし理事の職務執行の範囲を厳格に解釈するならば、理事の職務執行に「不法行為」が含まれることはあり得ないので、この民法第44条第1項の規定が無意味なものとなってしまう。そこで判例では、理事の職務執行の範囲を広く解釈している。

具体的には判例では「外形上、理事の職務行為と認められるもの、及び社会通念上その職務行為に関連するもの」を理事の職務執行としている(これを外形理論という)。
このように理事の職務執行を広く解釈することにより、法人と取引をする相手方を保護しているのである。
なお、民法第44条第1項により法人が不法行為責任を負う場合でも、理事個人も個人として不法行為責任を負うものとされている(判例)。

  • 法人否認説 

法人否認説は、権利義務の主体となることができるのは人間(自然人)に限定されるので、法人とは個人または財産そのものであるとする考え方である。
この説では、法人自体の行為はありえないので、理事の行為が法人に帰属しているに過ぎないと解釈される

  • 防水パン 

洗濯機を置くための皿状の台のこと。洗濯機パンともいう。 

  • 法第15条第1項の国土交通省令で定める場所 

宅地建物取引業法では、その第15条第1項で、一定の場所には、成年で専任の宅地建物取引主任者を置かなければならないと定めている。
この専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所のことを、宅地建物取引業法では「事務所等」と表現している。

「事務所等」とは具体的には次の2種類の場所を指す言葉である。

  • 法定講習 

宅地建物取引主任者試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者が、宅地建物取引主任証交付を申請する際に、主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「講習」を受講する義務が生じる(宅地建物取引業法第22条の2第2項)。
この宅地建物取引業法第22条の2にもとづく講習を「法定講習」と呼ぶ。
また、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を希望する場合にも、この「法定講習」を有効期間満了の前に受講することが義務付けられている。

「法定講習」を実施するのは都道府県知事であるが、実際には知事が指定した実施機関が講習を実施している。
どのような機関が実施機関となるかは各都道府県により異なっているので、法定講習を受講する際には、各都道府県の宅地建物取引業法を所管する課や、宅地建物取引業の業界団体へ問い合わせる必要がある。 

  • 法定代理 

本人・代理人の意思に関係なく、法律の規定にもとづいて発生する代理権のこと。具体的には子に対する親権者の権限、成年被後見人に対する成年後見人の権限などが法定代理である

  • 法定代理人 

「法定代理人」とは、法律の規定によって定められた代理人という意味である。
これに対して、当事者同士の合意によって定められた代理人は「任意代理人」と呼ばれる。

  • 法定地上権 

土地とその上の建物を同じ所有者が所有している場合に、競売等により土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際に、民法などの規定により建物のために地上権が自動的に発生することとされている。このように土地建物が強制的に分離処分される際に、法律の規定により建物のために発生する地上権を「法定地上権」と呼ぶ。

民法第388条では、抵当権の実行(いわゆる任意競売)により、土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際に、建物のために法定地上権が発生すると規定する。また民事執行法第81条では、競売(いわゆる強制競売)の際にも、建物のために法定地上権が発生すると規定する。また租税徴収法では租税滞納による物件売却(いわゆる公売)の際にも、建物のために法定地上権が発生すると規定している。

このように各法律で法定地上権を規定している理由は、競売等により土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際には、建物が敷地を利用する権利がいったん消滅することとなり、建物を土地から撤去しなければならないという不都合が生じるので、そうした不都合を回避するために、建物に地上権(法定地上権)を付与するという趣旨である。

  • 法律行為 

法律関係を変動させようとする意思にもとづく行為のこと。

  • 保管振替制度 

上場株券を証券保管振替機構に預託し、株券の受け渡しを簡略化する制度のこと。

  • 保佐人 

被保佐人に対して、保佐開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する保佐人のことである(民法876の2条)。

保佐とは「たすける」という意味である
保佐人は、重要な財産行為について同意する権限を持つ(民法12条)。

  • 補償金の支払請求 

事業認定の告示があったときに、土地所有者や土地に関する関係人が、補償金の前払いを請求できるという制度のこと。

土地所有者または土地に関して権利を有する関係人(先取特権・質権・抵当権・差押債権・仮差押債権の権利者を除く)は、事業認定の告示の日以後に、補償金の支払請求をすることができる(土地収用法第46条の2)。

ただし、収用者(起業者)が収用の裁決の申請をしていない場合には、収用の裁決の申請の請求(土地収用法第39条第2項)と一緒に、補償金の支払請求しなければならない(土地収用法第46条の2)。

起業者は、補償金の支払請求を受けたとき、2ヵ月以内に、自己の見積りによる補償金を支払わなければならない(土地収用法第46条の4)。なお、このときの支払額と、収用の裁決による補償金額のずれについては、権利取得裁決で清算されることになっている。

権利取得裁決では、補償金の支払請求がされた土地の算定方法は、事業認定の告示を基準とした相当な価格に、補償金の支払請求の支払期限(土地収用法第46条の4)までの物価変動率を乗じたものとされている。

  • 保証債務 

主たる債務者の債務を、別の者が保証したとき、この保証人の債務を「保証債務」という。

例えばAがBから借金をし、Aの友人であるCがその借金の保証人になったとしよう。このときAは主債務者、Bは債権者、Cは保証人、AB間の債務は「主債務(しゅさいむ)」、BC間の債務は「保証債務」と呼ばれる。

保証債務とは、正確には「主債務者Aが債務を履行しない場合に、保証人CがAの代わりに債務を履行するという保証人Cの債務」である(民法446条)。従って保証人Cは、主債務者Aが借金を返済しない場合にのみ借金返済の義務を負うことになる。

つまり債務履行の責任はまず主債務者にあり、保証人は補充的に債務を履行するだけである。このような保証債務の性質を「補充性」と呼んでいる(ただし連帯保証には補充性がない)。保証債務の主な特徴は次のとおりである。

1)附従性にもとづく抗弁権
保証債務は主債務を保証するものであるので、主債務自体が消滅すれば、保証債務もまた消滅する。このように主債務と保証債務が連動することを「附従性(ふじゅうせい)」という(民法第448条)。
こうした保証債務の附従性により、保証人は主債務の消滅などの理由を債権者に主張することができる。例えば、主債務者Aの主債務が当初1,000万円であったが、主債務者が200万円を弁済したことにより主債務が800万円にまで縮減したとする。このとき、債権者Bが保証人Cに対して1,000万円を返済するように請求したとしても、保証人Cは債務が800万円であることを債権者Bに対して主張することができる。これを附従性にもとづく抗弁権という。

2)補充性にもとづく抗弁権
前述のように保証債務は補充性を有するので、保証人は債権者に対し、先に主債務者から弁済を受けるように主張することができる。具体的には催告に抗弁権(民法452条)、検索の抗弁権(民法第453条)が保証人に与えられている。

3)保証人の求償権
保証人は主債務者に代わって債務を弁済した場合には、その弁済した金額を保証人が主債務者に請求することができる(民法第459条)とされており、これを保証人の求償権という。
ただし保証人が主債務者に代わって債務を弁済する際には、弁済の前と弁済の後に主債務者に通知をするべきである。これは保証人が弁済した後で主債務者が弁済すること(二重弁済)などを避けるためである(民法第463条、第443条)。

なお、保証の特殊な形態として、保証人の責任を大幅に強化した「連帯保証」があり、実際の契約ではこの連帯保証が用いられることが多い。

  • 保証書(不動産登記における) 

所有権移転登記を申請しようとする売り主が、登記済証を紛失している場合に、登記済証の代わりに作成する書類のこと。通常はこの保証書の作成は、不動産の売り主が司法書士に依頼する。

保証書は、不動産の売り主がその不動産の真正な所有者であるということを2名の保証人が保証するという内容の書面である。
2名の保証人は、いずれかの登記所(問題となっている不動産を管轄する登記所でなくてもよい)で登記を受けている成年者であることが必要である。

なお、保証された者が実は真正な所有者でなかった場合には、保証人は損害を受けた者に対して民事上の賠償責任を負うことになるので注意が必要である。 

  • 補助人 

被補助人に対して、補助開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する補助人のことである(民法876の7条)。

補助人は、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な財産行為について同意する権限を持ち、代理する権限を持つ(民法16条・120条・876条の9)。

  • 補正(不動産登記における~) 
  • 舗装(土壌汚染対策法の~) 

汚染土壌について、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置のひとつ。

汚染土壌との接触を遮断するため、汚染土地に厚さ10センチメートル以上のコンクリート舗装または厚さ3センチメートル以上のアスファルト舗装などを施すことである。(環境省の「土壌汚染対策法ガイドラインを参考とした)

  • 保存登記 

初めてする所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部の甲区に「所有権保存 所有者A」のように記載される。

所有権の保存の登記をすることができるのは、原則として、表題部所有者である(不動産登記法第74条)。

  • ほふり 

上場株券等の保管・受け渡しを合理化するために平成3年に設立されたわが国唯一の機関。
平成16年現在で上場株券の約6割を保管している。

昭和59年11月に「株券等の保管及び振替に関する法律」が施行され、この法律に基づき、平成3年10月より「保管振替制度」が実施されている。

証券保管振替機構は、この保管振替制度に基づくわが国唯一の保管振替機関であり、わが国の公開会社の発行済株式のうち60%以上の株券を保管している。
また平成16年現在、証券保管振替機構の取扱会社数は4,000社近くにのぼり、すべての公開会社の発行する株券等が取扱い対象となっている。

証券保管振替機構の保管対象とする証券は「上場株」「店頭株」「転換社債」「転換社債型新株予約権付社債」「株価指数連動型投資信託受益証券(ETF)」「投資証券」などである。

なお証券保管振替機構の組織形態は当初は財団法人であったが、平成14年4月より株式会社に移行した。現在の正式名称は「株式会社証券保管振替機構」である。 

  • 保留地 

土地区画整理事業を実施した際に、事業主体が取得する宅地のことを「保留地」という。
土地区画整理事業では、事業が施行される区域内のすべての宅地は、従来の宅地所有者に交付される新しい宅地(換地)となるのが原則である。
しかし事業にかかる費用を捻出する等の目的のために、施行区域内の一部の宅地は換地とせず、その土地を事業主体が取得することができるとされている。このような土地を「保留地」という(土地区画整理法第96条)。
保留地は将来的には事業主体が一般人に売却して、その売却代金を事業費用に充てることが多い。 

  • ホルムアルデヒド 

ホルムアルデヒドは、無色で刺激臭のある気体状の有機化合物(化学式はHCHO)であり、VOC(揮発性有機化合物)のひとつである。またホルムアルデヒドが一定の割合で水に溶けたものをホルマリンという。
ホルムアルデヒドは建材や家具に多く使用されており、シックハウス症候群を引き起こす主要な原因物質のひとつであると言われている。
ホルムアルデヒドは塗料・接着剤・フェノール樹脂などとして広く用いられる。建築関係では特に合板、繊維板、パーティクルボード、壁紙、フローリング材などに多用されるほか、合板を用いた家具にも使用されている。

ホルムアルデヒドの有害性については、一般的には空気中の濃度が0.05ppmで臭気を感じ、0.8ppmでほとんどの人が目の刺激、鼻・喉の乾燥を感じるとされている(1ppmは100万分の1という意味)。また低濃度であっても長期間にわたって人体に吸収されることにより、化学物質過敏症を引き起こすとも考えられている。

厚生労働省では、現状において入手可能な科学的知見に基づき、人がその濃度の暴露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろうとの判断により設定された安全な指針として、ホルムアルデヒド濃度を0.08ppm以下(重量換算で1立方メートルあたり0.1ミリグラム以下)にすることを勧めている。

しかしながら国土交通省が平成12年度に実施した全国約4,500戸の住宅を対象とする実態調査においては、ホルムアルデヒドの平均濃度は0.071ppmであり、厚生労働省の濃度指針値0.08ppmを下回るが、同指針を超える住宅が全体の約27.3%に達していた。
住宅の建築経過年数別に比較すると、築後4・5年の住宅が最も濃度が高く、築後2~3年のものや築後1年以内のものは逆に濃度が低くなっていた(これは近年シックハウス対策が普及しつつあるためと考えられる)。
また同じく国土交通省が平成13年夏に新築住宅1,726戸を対象に行なった調査では、13.3%の新築住宅でホルムアルデヒドの濃度が厚生労働省の指針値を上回っていた。

こうしたことから国では平成14年7月12日に建築基準法を改正・公布し、ホルムアルデヒドの規制に乗り出している。具体的には遅くとも平成15年7月12日までに建築基準法施行令を改正し、ホルムアルデヒドを含む建材の使用面積を制限する予定である。
また、マンションなど気密性の高い住宅では、ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建築材料を使用しない住宅等であっても、家具からの発散があるため、原則として、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置を義務付ける予定である。 

  • ホワイエ 

劇場の談話室、休憩室を表すフランス語。ホテルなどではラウンジ、ロビーと称するが、ホワイエも同意である。

  • ボンエルフ 

歩行者の快適性を考慮しながら、歩行速度程度の自転車や低速自動車の通行を可能にした歩車融合型のコミュニティ道路。車の速度を歩行者と同じ程度まで低下させるために、通行部分の蛇行やハンプ(路上の凹凸)を設置している。オランダ語で「生活の庭」の意。 

  • 本下水 

下水道が完備されている区域を「下水道の処理区域」という。
下水道の処理区域では、汚水を各住戸の浄化槽で浄化する必要がなく、汚水をそのまま公共の下水道管(汚水管)へと放流することができる。
このことを不動産業界では、公共の下水道管(汚水管)が完備しているという意味で、「本下水」と呼んでいる。

ただし不動産販売のパンフレット等では「下水:公共下水道へ直接放流」のように表記する方が一般に理解しやすいと思われる。 

ハ行
 

 

  • パーゴラ 

イタリア語で葡萄棚という意で、蔦・藤などのつる性植物を絡ますように造ったトンネル状の棚のこと。開放的であると同時に、植物による日除けのスペースであり、庭園における景観的美しさも兼ね備えている。

  • パース 

透視図法、すなわちある点から放射状に線を引いて投影した図のこと。物を立体的に表現し、平・立面図に比べてイメージを把握しやすい。従って、建築物の完成予想図としてよく用いられる。描く部分によって外観透視図・室内透視図がある。「パースペクティブ」とも。 

  • 媒介 

不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。

「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。
「仲介」とは「媒介」と同じ意味である。 

  • 媒介契約 

「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。

宅地建物取引業者がこうした活動を行なう際に、依頼者(売主・買主・貸主・借主)と宅地建物取引業者との間に締結される契約を「媒介契約」と呼ぶ。

媒介契約の方法や内容については、宅地建物取引業法第34条の2によって厳しい規制が加えられている。 

  • 媒介契約書 

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。(

  • 媒介報酬(仲介報酬) 

宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。

  • ハイカロリーバーナー 

標準的なガスバーナーの2倍以上の火力をもつガスバーナーを「ハイカロリーバーナー」という。
またハイカロリーバーナーを組み込んだ2口以上のバーナーをもつガスコンロ(ガステーブル)のことを「ハイカロリーバーナー」と呼ぶこともある。

標準的なガスバーナーは、強火の場合で1時間当たり約2,000キロカロリーの熱量を発生させる。この熱量とは、20度の2リットルの水を約5分で100度に沸騰させるという熱量のことであるが、実際には外部に逃げる熱量が50%以上あるため、10分近くかかる。

これに対して、ハイカロリーバーナーは1時間当たり4,000キロカロリー以上の熱量を発生させることができ、調理時間を大幅に短縮するだけでなく、中華料理のような強い火力を必要とする調理も家庭でできるようにしたものである。

またハイカロリーバーナーでは、火力が外部に逃げることを防ぎ、かつ鍋の取っ手が加熱されることを防止するために、炎が上向きに立ち上がるようにしたタイプや炎を内向きにしたタイプなど、熱効率を大幅に高めた機種が開発されている。

また高火力による油の飛び散りへの対策として、ガスコンロ(ガステーブル)の表面をフッ素樹脂加工や結晶ガラスとし、調理後の掃除を簡単にしたタイプも発売されている

  • 廃業等の届出 

宅地建物取引業者において死亡・破産・解散・廃業などの事情が発生した場合に、一定の者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第11条第1項)。この届出を行なうのは、次の5つの場合である。

1)宅地建物取引業者(個人)が死亡したとき(法第11条第1項第1号)
宅地建物取引業者の相続人は、死亡の事実を知った日から30日以内に、免許権者(その免許を与えた知事または大臣のこと)に対して、廃業等届出書(施行規則第5条の5、施行規則様式第3号の5)を提出する義務を負う(死亡の場合、廃業等届出書の提出期間は「死亡の日から30日以内」ではなく「死亡の事実を知った日から30日以内」であることに注意。また宅地建物取引業者が死亡した時点で、免許は自動的に失効する。廃業等届出書を提出した時点で免許が失効するのではないことに注意)。

2)宅地建物取引業者(法人)が合併により消滅した場合(法第11条第1項第2号)
その法人を代表する役員であった者は、法人が合併により消滅した日から30日以内に、免許権者に廃業等届出書を提出する義務を負う(合併により法人が消滅した場合、法人が消滅した時点で免許は自動的に失効する。廃業等届出書を提出した時点で免許が失効するのではないことに注意。また、合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。

合併による消滅には、吸収合併と新設合併がある。
吸収合併については、例えば甲法人が解散して乙法人に吸収されるのならば、解散する甲法人の代表者が廃業等届出書を提出する義務を負う。
新設合併については、例えばA法人(宅地建物取引業の免許あり)とB法人(宅地建物取引業の免許なし)が解散して、新会社であるC法人を新規に設立するのならば、A法人の代表者が廃業等届出書を提出する義務を負う。

3)宅地建物取引業者(個人または法人)が破産した場合(法第11条第1項第3号)
破産管財人は、破産した日から30日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第11条第2項)。また、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第66条第1項第7号))。

4)宅地建物取引業者(法人)が、合併および破産以外の理由により解散した場合(法第11条第1項第4号)
その法人の清算人は、合併・破産以外の理由で解散した日から30日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う。
(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第11条第2項)。また、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第66条第1項第7号)。さらに合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業)については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。

5)宅地建物取引業者(個人または法人)が、宅地建物取引業を廃止した場合(法第11条第1項第5号)
宅地建物取引業を廃止した場合とは、上記1)から4)に該当しない場合であって、宅地建物取引業を業として営むことをやめる場合を指す。一般的には「廃業」と呼ばれる。
この場合には、宅地建物取引業者であった個人または宅地建物取引業者であった法人を代表する役員は、廃業した日から30日以内に、免許権者に対して、廃業等届出書を提出する義務を負う。
(破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書を提出した時点で、免許が失効する(法第11条第2項)。また、破産、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、廃業等届出書が提出されない場合であっても、免許権者においてこれらの事実が判明したならば、免許権者は免許を必ず取消さなくてはならない(法第66条第1項第7号)。さらに合併による消滅、合併および破産以外の理由による解散、廃業については、免許取消し処分をまぬがれるための不当なものであるときは、免許の欠格事由となる。

  • 配偶者控除 

ある個人に配偶者がいて、その配偶者が給与収入を得ている(他の収入はない)というケースを考える。
このとき、配偶者の給与収入が103万円以下であるならば、その個人の所得について38万円の所得控除を受けることができる。これを配偶者控除という。

  • 配偶者特別控除 

ある個人に配偶者がいて、その配偶者が給与収入得ている(他の収入はない)というケースを考える。

このとき、その配偶者の給与収入が141万円以下であるならば、その個人の所得について、次のような所得控除(配偶者特別控除)を受けることができる。

1)配偶者の給与収入が103万円以下のとき
その個人の所得から控除される配偶者特別控除は、配偶者の給与収入が少ないほど大きくなる。配偶者特別控除は最大で38万円である。

2)配偶者の給与収入が103万円を超え141万円以下のとき
その個人の所得から控除される配偶者特別控除は、配偶者の給与収入が103万円に近づくほど大きくなる。配偶者特別控除は最大で38万円である。 

  • 排出水 

水質汚濁防止法では、有害物質や生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された101種類の施設のことを「特定施設}と定義している。
こうした特定施設を設置する工場・事業場等(「特定事業場」という)から、河川・湖沼・沿岸等の公共用水域に排出される水のことを「排出水」と呼んでいる。
ただし特定事業場から公共下水道に放出される水は「排出水」ではない。(水質汚濁防止法第2条)

  • 排水基準 

排出水に含まれることが許容される有害物質等の濃度に関する基準のこと。水質汚濁防止法もとづく政令(=排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号))により制定された基準である。
水質汚濁防止法では、有害物質や生活環境に被害を生ずる恐れがあるような汚水等を排出する施設であって、水質汚濁防止法施行令第1条で指定された101種類の施設のことを「特定施設と定義する。

こうした特定施設を設置する事業者については、水質汚濁防止法では次の2つの方法により、上記の排水基準を遵守するよう監視する仕組みとなっている。
1)特定施設を設置する際に、事業者が事前に都道府県知事に特定施設設置等の届出行なうことを義務付け、その届出において報告する事項により、排水基準を満たす構造等を備えていることを確認する。
2)特定施設を設置する事業者に対して、排出水および特定地下浸透水の汚染状態の測定義務付け、排水基準を遵守していることを記録させる。

  • 売買契約 

当事者の一方がある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。

売買契約は諾成契約とされている。つまり当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引渡されたときに成立するのではない)。
また売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。
また売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。

当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立した時、売り主には「財産権移転義務」が発生し、買い主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。

  • PS 

上下水道管(さらにはガス湯沸器など)を収納したスペースのこと。住戸の外部(玄関脇など)に設置されているのが一般的である。このパイプスペースの中に電気・ガス・水道のメーターを納めているときは、「MBPS」と表示されることがある。

なおこのPSやMBPSは、住戸の外部にあるときは、住戸の使用面積(専有面積、賃貸面積)には一般的に算入されない。

  • 白紙委任状 

ある人に一定の行為を委任することを記載した書面を委任状という。
委任状は、登記申請手続き等で必要な書面である。
この委任状には、委任者の氏名、受任者の氏名、委任事項の詳細などを記載するが、これらの記載の一部(例えば委任事項)が空欄となっているものを白紙委任状という。白紙委任状を交付された受任者が、空欄を濫用した場合については、代理権授与表示による表見代理が成立する場合がある。

  • パティオ 

スペインやラテンアメリカなどの住宅に見られる中庭。一般的には、多彩なタイル張りの床、噴水、植木などで構成された中庭。スペインやラテンアメリカなどの住宅に見られる。

  • 幅木 

壁の最下部で床に接する所に水平に設けられた化粧材のこと。壁の最下部を物がぶつかる等の損傷や汚染から保護し、床の納まりをよくする。木材、石、タイル、金属板、プラスッチック等が用いられる。

  • はめ殺し窓 

開閉できない、枠に直接ガラスなどが固定された窓。「はめ殺し」ともいう。 

  • パラペット 

次の2つの意味がある

1)陸屋根(水平な屋根)の周囲を取り囲むように設置された低い壁。
2)店舗の屋上や、店舗の正面の上方に取り付ける壁。

1)の意味のパラペットは、落下防止や雨水の侵入を防止するために設置されるものであり、2)の意味のパラペットは主に看板を取り付けるために設置されるものである。

  • パラボラアンテナ 

衛生からさまざまな情報を受信するためのお椀型のアンテナのこと。一般的には、衛星放送受信用のアンテナ(BSアンテナ)のことを指す。
最近のマンションでは、各住戸でそれぞれ設置する必要がないよう、あらかじめ共用のパラボラアンテナを設置し、各住戸への配線によって衛生放送が見られるようにしたものも多い。

パラボラとは放物線のことで、アンテナの内部が放物線の用に半円を描いている所から、この名前がついた。放物線の焦点は光が集まる点としての性質をもっており、この原理を生かし、アンテナに届いた電波は、中央部に設置された受信機に集められる。

パラボラアンテナは電波指向性が高いため、アンテナを電波の来る方向へある程度正確に向ける必要がある。 

  • バランスがま 

浴室内に設置される風呂釜(ふろがま)のこと。浴槽の脇に設置するタイプの風呂がまである。浴槽と風呂がまが接しているため、エネルギーの損失が少なく経済的という利点がある。

バランスがまは、浴槽にためた水を沸かす機能だけでなく、追いだき機能・沸かし直しの機能を持つ。またシャワー機能をもつ機種もある。ただし台所・洗面台への給湯機能は持たない。

バランスがまを設置する場合には、給排気を安全に行なうために、浴室内から戸外へと通じる排気筒を浴室内に設置する必要がある。また換気を確保するために浴室に換気窓を設けるケースが多い。 

  • 梁 

小屋組や床組の荷重を二点支持により水平や斜めの状態で支える横材のこと。柱などと連結して、上方からの荷重を鉛直方向に流し、地面に力を伝える重要な構造部材である。 

  • バリアフリー 

高齢者や身体障害者など、体の不自由な人々の行動を妨げる物的・心理的障害を取り除くという意味。バリアフリーデザインはその障害となる物を除去し、生活しやすいよう設計されたものである。段差を出来る限りつくらずにスロープ等を用いることも一つの手法である。 

  • バルコニー 

建物の壁面から突き出した床の部分。ベランダとも言う。

バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共有部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。

またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。

  • ハロゲンヒーター 

ハロゲンランプ(石英管内にタングステンフィラメントを内蔵し、ハロゲンガスを封入したもの)を熱源とする調理用ヒーターのこと。
ハロゲンランプが放射する光の80%以上が熱(赤外線)であることに着目し、この放射熱を調理に応用したものである。

ハロゲンヒーターの特徴として、熱効率がガスバーナー(ガスコンロ)に比べて高いこと、火力が強いことが挙げられる。また熱源であるハロゲンランプの寿命は5,000時間から1万時間程度である。

ただしハロゲンヒーターでは、土鍋、ガラス鍋、ホーロー鍋などは使用することができない(超耐熱ガラス鍋・耐熱ホーロー鍋は使用できる)。

なお最近は、ハロゲンランプを使用した暖房器具も発売されており、この暖房器具もハロゲンヒーターと呼ばれている。 

  • パントリー 

食料品や食器を入れておく小室、または配膳室のこと。厨房に隣接して配置する場合と、食事をとる部屋に近づける場合があり、配膳における一連の動作がスムーズに進むように設計すると良い。 

 
 ヒ

 

  • PC造 

プレキャストコンクリートを使用した建築構造のこと。

鉄骨の骨組にプレキャストコンクリートをはめこむことによって造られる建築構造である。

この建築構造は工事期間とコストが少なくてすむため、賃貸マンションなどに多用されている。 

  • Pタイル 

プラスチック系床材であって、タイル状に成型されているものを「プラスチックタイル」または「Pタイル」という。

Pタイルには、その材料によって、塩化ビニル系タイル、アスファルト系タイル、ゴム系タイルなどの種類がある。

ただし、一般的に「Pタイル」と言う場合には、塩化ビニル系タイルのうち硬質のもので、大きさが30センチ×30センチのものを指していることが多い。

この一般的な意味でのPタイルは、硬質で耐久性・耐磨耗性に優れており、学校、オフィス、商業施設で多用されている。  

  • ヒートアイランド現象 

都市部の高温化現象のこと。
この現象を防止するには、日中のコンクリートの熱吸収を抑制するとともに、蒸発する水分量を増やして熱の放散を促進することが必要である。
建築物の屋上に設けた緑地(屋上緑化)は、その両面で大きな効果を発揮する。

  • ビアジェ 

フランスにおける高齢者の所有不動産に関する特殊な売買契約のこと。
高齢者が住宅を買い主に売却し、その対価として、買い主から高齢者に対して高齢者が生存する期間に限り毎月一定額の金銭が支払われ、しかも高齢者はその住宅に終生住み続けることができるという契約である。

高齢者から見れば、長生きをするほど買い主からの受取金額が増えてゆき、しかも家賃を支払うことなく住み続けることができるので、長生きが有利である。しかし買い主から見れば、高齢者が長生きをするほど不利となる。このようにビアジェは買い主にとって危険性の高い契約であるが、その反面、住宅を通常よりも低額で取得できる可能性があるというメリットがある。

フランスではすでにローマ時代からこのビアジェという売買契約が行なわれていたという。現在ではフランスでは年間4,000件以上と言われるビアジェの成約件数があり、不動産取引の約2%を占めているとされている。

このようにビアジェがフランスで普及している理由としては、(1)フランス民法典にビアジェが明文化されていること、(2)フランスの法制度では、不動産売買契約が官吏である公証人によって必ず確定・認証されるため、複雑な不動産売買契約が法律上安全に締結できること、などが考えられる。 

  • ビオトープ 

野生生物の棲息できる最小空間を表すドイツ語。都市から失われる自然を回復するための対策として、自然環境を積極的に整備・育成するため、緑地帯や人工池、河川をつくったりする工夫が施されている。

近年では特定の生物種に限定せず、多様な野生生物が棲息できる生態系としての湖沼、湿地、草地、雑木林などをビオトープと呼ぶようになっている。残った自然を保全する保全型ビオトープや壊された自然を復元する復元型ビオトープなどが全国各地で実践されている。

  • 非オンライン庁(不動産登記における~) 

不動産登記のオンライン申請ができない登記所のこと。

  • 日影規制 

高い建物が日照をさえぎることによる日照被害を軽減しようとするものである(建築基準法56条の2)。

実際に日影規制を実施するには、地方自治体による条例の制定が必要だが、現在ではほとんど全ての自治体が日影規制条例を制定し、日照被害の軽減に努めている。

日影規制の対象区域は、地方自治体が条例で指定した区域である。この区域の指定は、住居系の7つの用途地域(第1種低層住居専用地域から準住居地域まで)、近隣商業地域、準工業地域の中で行なうことが必要である。

逆に言えば、商業地域、工業地域、工業専用地域では、日影規制の区域を設けることはできない。また、新宿高層ビル街のような特定街区では、日影規制を行なうことができない(建築基準法60条)。 

  • 日影規制(具体的な内容) 

日影規制の対象区域にある「一定以上の高さ」の建物を対象にする。
対象となった建物について、その建物の外側に10メートルの範囲内で建物の影が映る時間を計算し、その時間が一定時間以内におさまるように建物の高さが制限される。

従ってこうした計算方法で計算した結果、一定時間を超える日影が発生すると判明した場合には、建物の設計を変更しなければならないとされている。
日影規制の対象区域であっても、実際に日影規制の対象となるのは「一定以上の高さ」の建物だけである。この対象となる建物は用途地域ごとに決められており、具体的には次のとおりである。
1)第1種低層住居専用地域および第2種低層住居専用地域
軒の高さが7メートルを超えるもの、または地上3階建て以上であるもの
2)第1種中高層住居専用地域および第2種中高層住居専用地域
建物の高さが10メートルを超えるもの
3)第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域
建物の高さが10メートルを超えるもの
このように2階建ての住宅であれば、通常は上記1)から3)に該当せず、日影規制とは関係がないのであるが、3階以上の一般住宅や共同住宅は日影規制が適用される場合が非常に多いと考えられるので、建築設計の段階で日影規制をクリアするよう注意することが必要である。 

  • 非課税取引 

消費税の性格や社会政策的配慮により、消費税が課税されない取引のことを「非課税取引」という。

  • 光ファイバー 

ガラスやプラスチックの細い繊維を芯として光をとおす通信ケーブルのこと。通信データを光の信号でやりとりするため、高速・大容量の情報通信が可能になる利点がある。

ADSLの通信速度が2Mbps~数十Mbps(bpsは1秒間に1ビットのデータを送信できるという単位)であるのに対して、光ファイバーでは計算上は100Mbpsの通信速度が出るとされている(ただし現時点では設備上の問題から100Mbpsは実現しないことが多い)。このため光ファイバーは、映画などの動画を配信できる次世代の情報通信技術として注目されている。

なお、光ファイバーを各家庭へ引き込むことを「FTTH」(Fiber To The Home)と言うが、ここから転じて、家庭用の光ファイバー通信サービスのことを「FTTH」と呼ぶ場合がある。

  • 美観地区 

美観地区は、「市街地の美観を維持するために定める地区」である(都市計画法第9条)。
具体的には、建築物の色彩や、屋外広告を規制する地区であると言ってよい。

美観地区が定められると、この美観地区内では、地方自治体の条例によって、建築物の構造や設備を規制することが可能となる。

ただし美観地区が定められていても、その美観地区内での条例はまだ制定されていないというケースが多い。

美観地区が最もよく整備されているのは京都市で、約1,800haを美観地区に指定し、市街地景観整備条例によって建物の外観を規制している。 

  • 被災市街地復興推進地域 

大規模な災害により被害を受けた市街地の復興を推進するために定められる地域。
平成7年に制定された被災市街地復興特別措置法にもとづいて市町村が指定する地域である。

被災市街地復興推進地域は、次の要件に該当する市街地の区域について、市町村の都市計画で指定される(被災市街地復興特別措置法第5条、都市計画法第10条の4、都市計画法第15条)。
1)大規模な火災、震災等により相当数の建築物が滅失したこと
2)公共施設の整備状況、土地利用の動向からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあること
3)緊急かつ健全な復興のため、土地区画整理事業、公共施設の整備事業等を実施する必要があること

このような要件を満たす区域について被災市街地復興推進地域が指定された場合には、地域内の土地において、建築行為等が厳しく制限され、土地の造成・建築物の建築等には知事(または市長)の許可が必要となる(被災市街地復興特別措置法第7条)。

またこの知事(または市長)の許可が得られないために土地所有者に著しい支障が生ずる場合には、都道府県・市町村等は当該土地を時価で買い取るべきものとされている(被災市街地復興特別措置法第8条)。 

  • 非指定庁(不動産登記における~) 

不動産登記のオンライン申請ができない登記所のこと。

  • 非線引き区域 

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと

  • ひな壇 

桃の節句で雛人形を飾る段々状のステージが原意。宅地を開発する際、平坦に整地できない場合、自然の起伏を活かすか、段々状に土を削ったり(切土)、盛ったり(盛土)する。どちらが良いかは一概に言えないが、ひな壇造成された土地の場合、一般に盛土部分の地耐力は切土部分より弱い。またひな壇の上部の方が、湿気が少ないとされている。 

  • 非農地証明 

各市町村に設置された農業委員会が発行する証明書のひとつである。

  • 被保佐人 

精神上の障害があるために、保佐人を付けられた者のこと。
保佐とは「たすける」という意味である。

精神上の障害により物事を判断する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「保佐開始」の決定をし、「保佐人」を職権で選任する(民法第11条、第876条の2)。

こうした手続により保佐人を付けられた者のことを「被保佐人」と呼ぶ。

この「被保佐人」の制度は、平成12年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「準禁治産者」という名称であった。

被保佐人は、財産にかかわる重要な法律行為(不動産売買や不動産賃貸借など)を自分だけでは有効に行なうことができない。
こうした重要な法律行為を行なうには保佐人の同意が必要であり、もし保佐人の同意を得ないで重要な法律行為を行なった場合には、後でその法律行為を取消すことが可能である。
ただし重要でない法律行為や、日用品の購入などは有効に自分だけで行なうことができる(民法第12条)。

従って、被保佐人との契約を行なうには、その保佐人の同意を必ず取得するべきである。 

  • 被補助人 

精神上の障害があるために、補助人を付けられた者のこと。

精神上の障害により物事を判断する能力が不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「補助開始」の決定をし、「補助人」を職権で選任する(民法第14条、第876条の7)。

こうした手続により補助人を付けられた者のことを「被補助人」と呼ぶ。

この「被補助人」の制度は、精神上の障害の程度が軽微な人について、法律行為を円滑に行なうことができるように、平成12年の民法改正によって創設された制度である。

被補助人は、精神上の障害の程度が軽微であるので、重要な法律行為であっても基本的には単独で有効に行なうことができるが、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な法律行為について、補助人の同意が必要とされたり、補助人が法律行為を代理する場合がある(民法第16条、第876条の9)。

どのような法律行為について「同意」や「代理」を必要とするかは、本人、配偶者、親族などの請求によって家庭裁判所が審判する(民法第16条、第876条の9)。

従って、被補助人との契約を行なうには、その補助人と事前に協議するべきである。

  • 表見代理 

無権代理による取引(権限のない代理人が行なった契約など)は、本人に対する関係では本来無効である。しかし取引の相手方が、無権代理人を真実の代理人だと誤信したことについて、何らかの正当な理由がある場合には、その取引は有効なものとされる。この制度を表見代理という。

表見代理には、代理権授与表示による表見代理、代理権消滅後の表見代理、権限踰越表見代理という3種類がある。

これら3種類の表見代理は、本人に何らかの落ち度(帰責要因)があることを基礎として、その帰責要因をもとにあたかも真実の代理人であるかのような外観が作出され、その外観を信頼して取引に入った相手方を保護するものである。

  • 標識の掲示 

免許証番号などを記載した「標識」を、宅地建物取引業者の事務所その他の一定の場所に掲示することを「標識の掲示」という。

(1)趣旨
無免許営業を防止すること、責任の所在を明確にすること等の目的で、宅地建物取引業者に義務付けられたものである(宅建業法第50条第1項)。

(2)標識に記載すべき事項
標識に掲示すべき事項は、免許証番号、免許有効期間、商号、代表者氏名、主たる事務所の所在地など(施行規則第19条第2項)。

  • 表示規約 

不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。

この表示規約が最初に作られたのは昭和38年のことであり、その後、10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社にひろく遵守されている。

この表示規約の改正作業や、表示規約に違反した不動産会社への警告などを行なっているのは、全国各地に設立されている「不動産公正取引協議会」である。

  • 表示行為 

内心的効果意思(具体的にある法律効果を意欲する意思)を外部に表示する行為のこと

  • 表示登記 

土地・建物に関する物理的状況を表示した登記のこと。

  • 表示の登記 

登記記録の表題部になされる登記のこと。不動産の物理的状況・外形的状況などが記載される。「表示登記」ともいう。 

  • 標準管理規約 

分譲マンションなどの区分所有建物における管理規約について一定のガイドラインを示すために、国土交通省(旧・建設省)が昭和57年に作成したマンション管理規約のモデルのこと。
現在は名称が変更され、「マンション標準管理規約」となっている。

  • 標準媒介契約約款 

国土交通省が定めた標準的な媒介契約の契約条項のことである。
媒介契約に関しては、宅地建物取引業法第34条の2で具体的な規制が行なわれているが、さらに消費者保護の観点から標準的な契約条項を普及させることが必要と考えられたので、建設省(現国土交通省)は、住宅宅地審議会の答申を踏まえて、「標準媒介契約約款」を作成し、告示したものである〔昭和57年5月7日建設告示第1110号(最終改正平成9年1月17日)〕。

宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合においては、宅地建物取引業法施行規則第15条の7第4号により、「標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別」を契約書に記載しなければならない。
従って法律上は、宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合に「標準媒介契約約款」を使用しないことも可能とされている。

ただし「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方「(国土交通省のガイドライン)では、「媒介契約制度の的確な運用を図るため、宅地建物取引業者間の大量取引における販売提携、販売受託等の特殊な事情のあるものを除き、標準媒介契約約款を使用することとする」と明言されている。

従って国土交通省は「標準媒介契約約款」を使用するよう指導していると言うことができる。 

  • 表題登記 

一筆の土地または一個の建物に関して、最初になされる表示登記のこと。
新築された建物などの場合、登記記録そのものが存在していないので、登記記録そのものを新規に作成する手続が必要になる。
この場合、新規に登記記録を作成するには手順として、まず表題部を作成する必要があり、このような登記を「表題登記」と呼んでいる。

建物の新築の場合、表題登記は建築後1ヵ月以内に申請しなければならない。1ヵ月以内に申請しない場合は過料に処せられる(ただし1ヵ月経過後も表題登記の申請はでき、申請義務がある)。

なお「表題登記」という用語は、従来は使用されていなかったが、不動産登記法の全面改正(平成17年3月7日施行)により新たに導入されたもの

  • 表題部所有者 

一筆の土地または一個の建物ごとに作成される登記記録において、まだ所有権保存の登記がされていない時点で、表題部に所有者として表示されている者のこと

  • ビルトイン 

あらかじめ壁面などに組み込んで用いられる方式、すなわち造り付けのこと。ビルトインエアコン、ビルトインクローゼットなどがよく見られる。室内における出っ張りを減らし、すっきりと美しく納めることができる。 

  • ピロティ 

本来はフランス語で「杭(くい)」のこと。そこから派生して、建築物を柱だけで支え、1階部分が自由に通り抜けできるようになった建築スタイルのことを「ピロティ」と称するようになった。

現在の建築用語では、1階部分の一部にあり、2階の重みを柱だけで支えた空間のことを「ピロティ」と呼んでいる。

このピロティは駐車スペースや作業場に使用しやすいので、オフィスビルやマンションで多用されている。

また一戸建て住宅でも、2階部分を1階部分より大きくすることで、1階にピロティを設け、駐車スペースとすることがある。 

  • ピロティの面積 

ピロティの面積は、建築基準法では次のように扱われる。
1)床面積の計算
主に通行専用の用途であれば、建築基準法上の「床面積」に含まない。
しかし自動車車庫として使用する場合には「床面積」に含めなくてはならない。
2)建築面積(いわゆる建坪)の計算
ピロティは建築面積に含める必要がある。

  • 品確法 

住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人と新築住宅の売主に10年間の瑕疵担保責任を義務付ける法律。平成12年4月から施行されている


 フ

  • フーチング 

基礎の底部を幅広くした構造のこと。
断面は「T」の字を逆さまにしたような形状となる。

このフーチングを地盤面の下に埋め込むことにより、基礎全体を水平方向に安定させると同時に、地盤の支持力を高めている。 

  • ファサード 

建物(主に店舗)を正面から見た場合の外観のこと

  • VOC 

英語のVolatile Organic Compoundsの頭文字を並べたもの。常温で揮発する有機化合物(揮発性有機化合物)のことで、代表的なVOCとしては、ホルムアルデヒド、クロルピリホス、トルエン、キシレン、ベンゼン、スチレンなどがある。
これらのVOCは、建材や家具の塗料・接着剤・樹脂として、また防虫剤・防蟻剤として現在広く利用されている。

VOCは空気中の濃度が一定以上になるとごく微量であっても臭気、目・鼻・喉への刺激、めまい、頭痛などを引き起こすものであり、化学物質過敏症の原因になるとも考えられている。高濃度になると発ガン性を持つとされる。シックハウスの症候群の主要な原因物質である。

こうしたVOCに関して厚生労働省医薬局審査管理課化学物質安全対策室では、現時点で入手可能な毒性についての知見から、人がその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値(濃度指針値)を次のように定めて公表している。

ホルムアルデヒド:1立方メートルあたり0.1ミリグラム(濃度に換算して0.08ppm)以下
トルエン:1立方メートルあたり0.26ミリグラム(濃度に換算して0.07ppm)以下
キシレン:1立方メートルあたり0.87ミリグラム(濃度に換算して0.20ppm)以下
パラジクロロベンゼン:1立方メートルあたり0.24ミリグラム(濃度に換算して0.04ppm)以下
エチルベンゼン:1立方メートルあたり3.8ミリグラム(濃度に換算して0.88ppm)以下
スチレン:1立方メートルあたり0.225ミリグラム(濃度に換算して0.05ppm)以下

こうした人体に悪影響を与えるVOCの実態を把握するため、国土交通省では平成12年度に全国約4,500戸の住宅を対象とする実態調査を行なった。その結果は次のとおりであった。
1)ホルムアルデヒド(濃度指針値0.08ppm)の平均濃度は0.071ppm。指針を超える住宅は約27.3%あった。
2)トルエン(濃度指針値0.07ppm)の平均濃度は0.038ppm。指針を超える住宅は約12.3%あった。
3)キシレン(濃度指針値0.20ppm)の平均濃度は0.005ppm。指針を超える住宅は約0.13%あった。
4)エチルベンゼン(濃度指針値0.88ppm)の平均濃度は0.008ppm。指針を超える住宅はなかった。

このような実態調査等にもとづき、国では平成14年7月12日に建築基準法を改正・公布し、居室(住宅だけでなく職場・学校等を含む)におけるVOCの規制を開始することとなった

  • 風致地区 

風致地区は「都市の風致を維持するために定める地区」である(都市計画法第9条)。

風致地区は、都市の内部にありながら公園・庭園・寺院・神社などを中心として緑豊かな環境が残っているエリアについて、環境の保護のために指定されることが多い。

風致地区では、地方公共団体の条例によって、建築物の高さ、建ぺい率などが厳しく規制され、緑豊かでゆとりのある環境が維持されている(都市計画法第58条)。 

  • 付加一体物 

抵当権の効力は「不動産に付加してこれと一体を成したる物」に及ぶとしており、これを通常「付加一体物」と呼んでいる(民法第370条)。
この付加一体物とは、具体的には、土地の附合物、建物の附合物、建物の従物、土地の従物である。

  • 不完全履行 

債務不履行のひとつ。債務の履行がなされたが、債務者の故意または過失により、その履行が完全なものでないことをいう。 

  • 吹抜け 

2つ以上の層にまたがって設けられる室やスペースのこと。階段室は言うまでもなく吹抜けだ。風や熱の吹き抜けが容易で、また遮蔽するものがないために、開放的で快適な空間を生み出す。冷暖房効果を高めるために、天井扇を付けることが望まれる。

  • 復代理 

代理人がその代理権限の範囲内で、さらに代理人を選任することを「復代理」と言う。この場合に選任された代理人は「復代理人」と言う。(民法第104条から第107条)

  • 復代理人 

代理人は、本人から与えられた権限内の行為の全部または一部を、他の者を選任して行なわせることができる。
このとき、代理人から選任された他の者を「復代理人」という。

1)復代理人の代理権の範囲
復代理人の権限は、本来の代理人(原代理人という)から与えられた範囲に限定される。このため原代理人が与えた権限の範囲を復代理人が逸脱した場合には、復代理人の行為は無権代理となる。また原代理人の代理権が消滅すれば、復代理人の代理権も消滅するものと解されている。

2)復代理人の代理行為の効果
復代理人の代理行為については、その法律効果は、直接、本人に帰属することとされている。つまり復代理人は、原代理人を代理するのではなくて、本人を直接的に代理するものとされている(民法第107条第1項)。

3)復代理人がいるときの原代理人の地位
復代理人を選任した後においても、原代理人が本人を代理することには何ら変化がない。原代理人の代理権は従来の通り存続する。

4)原代理人(任意代理人)による復代理人の選任と監督責任
本人と原代理人の関係が「任意代理」である場合は、本人は原代理人を特別に信任しているのだから、原代理人が復代理人を選任することは原則的に許されない。選任できるのは「本人の許諾があるとき」と「やむをえない事情があるとき」に限られる(民法第104条)。
こうして復代理人を選任した場合には、原代理人は選任したことの反面として、復代理人の非行(例えば義務違反)に対して、原代理人が責任を負わなければならない(民法105条第1項)。ただし「本人の許諾があるとき」は、原代理人の責任は軽減されている(民法第105条第2項)。

5)原代理人(法定代理人)による復代理人の選任と監督責任
本人と原代理人の関係が「法定代理」である場合は、原代理人は法律上当然に代理人となったのであり、その代理権の範囲も広範・多岐にわたる。そのため、原代理人が復代理人を選任することは自由とされている(民法第106条)。
こうして復代理人を選任した場合には、原代理人は選任したことの反面として、復代理人の非行(例えば義務違反)に対して、原代理人が責任を負わなければならない(民法105条第1項・第106条)。なお、原代理人の責任を軽減する民法第105条第2項の規定は、法定代理人である原代理人には適用されない(民法第106条)。

  • 袋地 

ある土地が他の土地に囲まれているために、公道に出るには他の土地を必ず通行しなければならない場合には、この囲まれている土地のことを「袋地(ふくろち)」と言う。

  • 附合物 

不動産(または動産)に附合した動産のことを「附合物」という(民法第242条)。
具体的には、分離できない造作は建物の附合物であり、取り外しの困難な庭石は土地の附合物である。従って附合物は「構成部分」と言い換えることもできる。

附合物は不動産の構成部分であるから、不動産を売買すれば当然に附合物を売買したことになり、また不動産に抵当権を設定すれば、当然に抵当権の効力は附合物に及ぶことになる

  • 不在者の財産管理 

不在者とは、住所または居所を去って、容易に帰ってくる見込みがない者をいう。不在者は失踪宣告を受けた者を含み、失踪宣告を受けた者よりも広い概念である

  • 付属建物 

建物に付属した建物のこと。主たる建物に付属した小屋・勉強部屋・作業部屋・物置・便所などであり、建物登記簿上は表題部に「付属建物」として登記される(未登記の場合も多い)。

付属建物は、通常は建物の従物であると考えられるので、建物が売買されれば附属建物も同時に売買されることになる(ただし当事者で異なる合意をすることは可能)。

また、付属建物は、通常は建物の従物であると考えられるので、建物が登記されれば、附属建物が未登記であっても、登記の対抗力は附属建物に及ぶとされるし、建物に抵当権を設定した場合には、付属建物にも抵当権の効力が及ぶとされる。

  • 負担水準 

その年度の、土地の固定資産税課税標準額決定する際に必要となる数値である。具体的には次の式で求めた数値のことである。

「 前年度の土地の固定資産税課税標準額 ÷ (今年度の土地の固定資産税評価額×課税標準の特例率)×100%=負担水準 」

例えば、ある住宅用地(地積100平方メートル)の12年度・13年度・14年度における固定資産税評価額がすべて600万円であるとする。
またこの住宅用地の13年度における固定資産税課税標準額が70万円であるとする。
なおこの住宅用地は「小規模住宅用地」であるので、課税標準の特例率は6分の1である。

上記の例では、14年度におけるこの土地の負担水準は、次のように算出される。
「 負担水準=70万円÷(600万円×1/6)×100% =70% 」

したがって負担水準とは、その土地の課税標準額が、固定資産税評価額の比較から見てどの程度に達しているかを図る指標であると言うことができる。 

  • 負担付贈与 

受贈者が一定の給付をなすべきことを特約した贈与のこと(民法第553条)。

贈与は無償契約であるが、負担付贈与は負担(受贈者がなすべき給付のこと)の範囲内では有償契約に近いということができる。
そのため負担付贈与では、贈与者は、その負担の限度において、売り主の担保責任と同じ責任を負わなければならない(民法第551条)。

  • 復旧(区分所有法における~) 

区分所有物が、地震・火災・爆発などにより損害をうけた場合に、その損害を受けた部分を元の建物の状態に戻すことをいう。

専有部分の損害について、区分所有法および民法によれば、各区分所有者が専有部分を単独で所有しているので、原則的には区分所有者が単独で(集会の決議等を経ないで)専有部分の復旧を行なうことができるのであるが、実際には管理規約の定めにより、専有部分を復旧するには理事長の承認等の手続を必要としているケースがほとんどである。なお専有部分の復旧工事にかかる費用は、その専有部分の区分所有者の自己負担となる。

次に、共有部分の損害については、「小規模滅失」と「大規模滅失」により取り扱いが異なる。
1)小規模滅失の場合
損害を受けて効用を失った建物の部分(専有部分と共用部分の両方)の価格が、建物全体の価格の2分の1以下に相当する場合を「小規模滅失」という。
この小規模滅失の場合には、区分所有法の規定によれば、それぞれの区分所有者が単独で(集会の決議等を経ないで)、損害を受けた共用部分を復旧することができる(区分所有法第61条第1項)。しかし実際には、管理組合の集会の普通決議を経ることがほとんどである(区分所有法第61条第3項・第4項)。
共用部分の復旧工事にかかる費用は、共用部分の持分割合に応じて区分所有者全員が費用を分担する(区分所有法第61条第2項)。

2)大規模滅失の場合
損害を受けて効用を失った建物の部分(専有部分と共用部分の両方)の価格が、建物全体の価格の2分の1を超える場合を「大規模滅失」という。
この場合には、復旧を行なうためには、区分所有者の集会の特別決議(区分所有者数の4分の3以上および議決権の各4分の3以上の賛成)により可決した場合にのみ、共用部分の復旧を行なうことができる(区分所有法第61条第5項)。
このように大規模滅失については、復旧にかかる費用が巨額であること、建物自体の建替えも検討する必要があること等により、特別多数の賛成が要件とされている。

なお、大規模滅失における復旧決議に賛成しなかった区分所有者は、復旧決議に賛成した区分所有者に対して、自己の所有する建物および敷地に関する権利を、時価で買い取るように請求することができる(区分所有法第61条第5項・第8項)。
これは復旧に参加する意思のない区分所有者がすみやかに区分所有建物の権利関係から離脱できるように配慮した規定である。

なお、上記の「小規模滅失」および「大規模滅失」のどちらについても、集会における区分所有者数の5分の4以上及び議決権の5分の4以上の賛成により、区分所有建物の「建替え決議」を可決して、建物全部を建て替えることも可能である(区分所有法第62条)。 

  • 普通決議 

分譲マンションのような区分所有建物において、管理組合の集会で議案を議決する際に、通常の議案について過半数の賛成により可決することを「普通決議」という。
この反対に、特に重要な議案について4分の3以上の賛成などの特別多数の賛成により可決することは「特別決議」と呼ばれる。

区分所有法では、「集会での議案の議決は、原則として区分所有者数の過半数及び議決権の過半数の賛成で可決する」という旨を定めている(区分所有法第39条第1項)。
従って、通常の議案については、区分所有者数の過半数と議決権の過半数の賛成があれば可決できることになり、こうした決議方法を「普通決議」と呼んでいるのである。

ただし実際には、管理組合の集会において、区分所有者の出席が少なく(かつ書面による権利行使や代理人の選任も行なわれず)、上記のような過半数の決議要件を満たすことが困難なケースもある。こうした場合に備えて、管理組合が管理規約において、普通決議の要件を「過半数」よりもあらかじめ緩和しておくことも可能とされている(区分所有法第39条第1項)。

  • 普通借地権 

借地借家に関する法制度は、かつては借地法・借家法の二本立てであったが、平成4年8月1日に借地借家法が施行されたことにより、一本化された。

この新借地借家法(平成4年8月1日施行)にもとづく借地権であって、定期借地権ではない借地権のことを「普通借地権」と呼ぶ。

これに対して、旧借地法にもとづく通常の借地権のことを「旧法上の借地権」と呼ぶことがある。

普通借地権と旧法上の借地権の間には、次のような違いがある。

1)旧法上の借地権は、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には、非堅固な建物(木造を指す)については存続期間を30年とし、堅固な建物については存続期間を60年としていた。
しかし普通借地権では建物の堅固・非堅固による区別がなく、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には存続期間を30年とした。
2)旧法上の借地権は、建物が老朽化し、朽廃した場合には、借地権が自動的に消滅することとされていた(旧借地法第2条、第5条)。しかし普通借地権にはこうした朽廃による消滅の規定がない。

このようにいくつかの相違点があり、しかも現在でも、旧法上の借地権による借地と普通借地権による借地が並存しているため、不動産広告等では両者の違いを明記することが多い。 

  • 物上保証人 

ある人(A)が他の人(B)に対して債権を有している場合に、Aが債権を保全する手段のひとつとして、「第三者(C)の財産に対してAが抵当権をつける」ことがある。
これは第三者Cが、Cの財産をBのために差し出すということであり、このような方法による債権の担保を「物上保証」という。またこのときのCを「物上保証人」という。

  • 不動産 

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

  • 不動産鑑定 

不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号)に基づき、不動産鑑定士または不動産鑑定士補が不動産の経済価値を判定することを言う。

不動産の経済価値を判定する方法としては、金融機関による担保評価や、不動産会社による簡易査定などがあるが、不動産鑑定は公式かつ最も信頼性の高い方法であると言える。

地価公示における標準地の評価や、都道府県地価調査おける基準地の評価は、不動産鑑定によって行なわれる。

また民事裁判において、相続された不動産の評価や、金融機関が担保とする不動産の評価が問題になるケースでは、不動産鑑定士または不動産鑑定士補に依頼し、不動産鑑定を行なうのが一般的である。

  • 不動産鑑定士 

国土交通省が毎年実施する不動産鑑定士試験のすべてに合格し、国土交通大臣への登録を受けた者を不動産鑑定士と言う。不動産鑑定士の登録を受けるには、不動産鑑定士試験の3次試験に合格し、2年以上の実務経験があることが必要である。

不動産鑑定士は職務上高度な倫理が求められるので、法律(不動産の鑑定評価に関する法律)の規定により、故意に不当な鑑定評価をした場合には、登録抹消などの厳しい懲戒処分が行なわれる。

また不当な鑑定評価をした疑いが生じた場合には、誰でも、知事または国土交通大臣に対して調査等を行なうように要求することができる(不動産の鑑定評価に関する法律第42条)。 

  • 不動産鑑定士補 

国土交通省が毎年実施する不動産鑑定士試験の一部に合格し、国土交通大臣への登録を受けた者を不動産鑑定士補と言う。不動産鑑定士補の登録を受けるには、不動産鑑定士試験の2次試験に合格し、2年以上の実務経験があることが必要である。

不動産鑑定士補は職務上高度な倫理が求められるので、法律(不動産の鑑定評価に関する法律)の規定により、故意に不当な鑑定評価をした場合には、登録抹消などの厳しい懲戒処分が行なわれる。

また不当な鑑定評価をした疑いが生じた場合には、誰でも、知事または国土交通大臣に対して調査等を行なうように要求することができる(不動産の鑑定評価に関する法律第42条)。 

  • 不動産鑑定事務所 

不動産鑑定を専門とする事務所のこと。法律(不動産の鑑定評価に関する法律)上の名称は「不動産鑑定業者」である。

不動産鑑定事務所は、少なくとも1名以上の不動産鑑定士を雇用しなければならない。ただし不動産鑑定事務所の代表者は不動産鑑定士でなくともよい。
不動産鑑定事務所は知事または国土交通大臣への登録を受けなければならず、毎年1回、事業の実績を知事または国土交通大臣へ報告する義務がある。

法律(不動産の鑑定評価に関する法律第31条)の規定により、この事業実績の報告書は、都道府県庁または国土交通省で一般人が閲覧することができる。 

  • 不動産質 

不動産に質権を設定することを不動産質という。不動産質権を取得した債権者(=不動産質権者という)は、不動産を使用収益して利益をあげることができるが、その反面、債権の利息を債務者に請求することができないという特徴がある。ただし当事者がこれと異なる特約をした場合には特約が優先する(民法第356条から第359条)。

また不動産質権の存続期間は10年以内とされており、存続期間終了時には10年以内の期間で更新することができる(民法第360条)。

  • 不動産収入 

不動産収入とは、家賃収入、管理費収入、共益費収入、礼金収入、駐車場使用料収入などのことである。

  • 不動産取得税 

不動産を有償または無償で取得した場合や改築等により不動産の価値を高めた場合に、その取得者等に課税される地方税のことである。
不動産の所在地の都道府県が課税の主体となるので、実際の徴収事務は都道府県が行なうこととされている。

不動産取得税の税率は原則的に「不動産の固定資産税評価額の4%」とされている。

ただし「住宅の建物部分」に係る不動産取得税については「建物部分の固定資産税評価額の3%」とされている(地方税法附則第11条の2)。
ちなみにここで言う「住宅」には別荘を含まない。ただし週末を過ごすため郊外に購入した2つめの住宅や、勤務地の近くに購入した2つめの住宅といったいわゆる「セカンドハウス」はここで言う「住宅」に含まれる。

なお、一定の要件を満たす「住宅の建物部分」や一定の要件を満たす「住宅用土地」については、不動産取得税の税額そのものの大幅な軽減措置が設けられている。

不動産取得税は原則的には、不動産を取得した者に対して、不動産の取得の日において課税される(地方税法第73条の2第1項)。
ただし、新築によって建物を取得した場合には「最初に使用された日」または「譲渡された日」が「取得の日」とみなされて、その日における所有者が納税義務を負うケースがある(地方税法第73条の2第2項)。具体的には次のとおりである。

1)「最初に使用された日」が「取得の日」となるケース
賃貸業を行なう個人が、建築業者に賃貸建物を新築させた場合には、新築の日ではなく、最初に借家人が使用した日が「取得の日」となる。
また一般の個人が建築業者に自己の居住用の建物を新築させた場合には、新築の日ではなく、最初にその個人が入居した日が「取得の日」となる。

2)「譲渡された日」が「取得の日」となるケース
建売分譲業を行なう会社が、建築業者に建売住宅を新築させた場合には、新築の日ではなく、建売住宅が販売された日に課税される。このとき納税義務者は建売住宅の購入者となる。

なお、上記1)、2)の場合において、新築の日から6ヵ月を経過しても、最初の使用や譲渡が発生しない場合には、その6ヵ月を経過した日が「取得の日」とみなされる。

  • 不動産所得 

不動産の貸付けによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。

  • 不動産登記制度 

不動産に関する所有権等の権利の取得・消滅を、第三者に対して公示するために、登記記録を作成し、登記記録を登記所に備え付けて一般に公開する制度のこと。

この制度により不動産の物的状況・権利関係が一般に公示され、不動産の取引を安全に行なうことが可能となっている。 

  • 不動産登記簿 

不動産の物的状況や権利関係を公示するために、登記所に備え付けられた書類のこと。
不動産登記簿には、建物登記簿と土地建物登記簿の2種類があり、どちらもその不動産を管轄する登記所に保管されている。

不動産登記簿は、1個の不動産ごとに1組の登記用紙を使用し、多数の不動産の登記用紙をまとめて1冊のバインダーに綴じ込んだものである。
1組の登記用紙は「表題部」「甲区」「乙区」という3つの部分から構成されている。
「表題部」は不動産の物的状況を記載した部分である。「甲区」にはその不動産の所有権に関する事項、「乙区」にはその不動産の所有権以外の権利(賃借権・抵当権等)に関する事項が記載されている。

不動産登記簿は誰でも自由に閲覧することができ、また誰でも登記簿の写しを自由に入手することができる。 

  • 不動産投資信託 

不動産を運用対象とする投資信託のこと。アメリカでは「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとって「REIT」(リート)と呼ばれている。

不動産投資信託(リート)は、もともと1960年にアメリカで生まれた金融商品である。不動産投資信託(リート)の基本的な仕組みは、多数の投資家から資金を集め、不動産投資信託を運営する「投資法人」がその資金を不動産(オフィスビルなど)に投資し、不動産から生ずる賃料収入などを投資家へ配分するというものである。

この不動産投資信託(リート)の最大の特徴は、投資法人が獲得した利益について、その利益のほとんどを投資家へ還元するならば、投資法人にかかる法人税は免除されるという点である。つまり投資法人は不動産と投資家との間を橋渡しする単なる器(うつわ)にすぎないという考え方により、投資法人自体は法人税非課税とされているのである。

1960年にアメリカで誕生したリートの市場は1990年代に入って急拡大し、アメリカでは200以上のリートが株式市場に上場されて、有力な金融商品となっている。

これに対して、かつて日本国内では法律上の問題から不動産投資信託(リート)を設立することができなかったが、平成12年に従来の「証券投資信託法」が改正され、「投資信託及び投資法人に関する法律」(改正投信法)となったことにより、日本でも不動産投資信託(リート)が解禁された。

日本国内での投資信託の対象となる資産は、従来は有価証券(株式、社債など)に限定されていたが、この平成12年の法改正により、投資信託の対象資産に、不動産が加えられた。これにより日本でも、不動産を対象とする投資信託が初めて可能になったのである。この法改正によって登場した不動産を運用対象とする投資信託は「不動産投資信託」「日本版リート」「Jリート」等と呼ばれている。

このような日本の不動産投資信託には、法的な仕組みとして、会社型投資信託と契約型投資信託の2種類があるが、現在のところ会社型投資信託が大半を占めている。また日本の不動産投資信託は、証券取引所に上場することが可能とされており、平成13年(2001年)9月10日の初上場以来、既に多数の不動産投資信託が東京証券取引所および大阪証券取引所に上場され、通常の上場株式と同様に毎日売買されている。

日本の不動産投資信託(会社型)では、投資主体である会社は「投資法人」と呼ばれ、その会社に出資する投資家は「投資主」と呼ばれる。また実際に不動産の取得・運用・売却を指揮する不動産投資のプロフェッショナルは「投資信託委託業者」と呼ばれている(投資信託委託業者は「資産運用会社」とも呼ばれる)。

最後に、日本の不動産投資信託に投資する際のポイントをいくつか挙げたい。
第1に、投資口(投資家が投資法人に出資する単位。普通の会社における株式に相当する)が20から100万円程度に設定されており、比較的購入しやすいものとなっている。

第2に、投資法人から投資家へ還元される分配金(通常の会社では配当金に相当する)は投資口価格(通常の会社では株価に相当する)に対して、3~4%という高水準にある。このため、預貯金や国債と比較して高い利回りを期待することができる。ただし投資口価格の下落による損失の危険もあることに留意したい。

第3に、投資法人の投資先はオフィスビル・商業ビル・賃貸マンションなど多岐にわたるが、各投資法人ごとに特色があるので、投資口を購入する際に各投資法人の運用方針を、「資産運用報告書」などで理解しておくのが望ましい(資産運用報告書は各投資法人のホームページで公開されている)。

第4に、投資法人は、資金を投入した不動産に関する情報の開示(ディスクロージャー)を法律により義務付けられている。具体的には、投資信託法(および政令)により「資産運用報告書」を開示しなければならない。この運用報告書には、投資対象であるひとつひとつの物件の稼働率・賃料収入が明記されている。ただし物件に入居しているテナントの名称までは開示されない(ごく一部の大口テナントの名称は有価証券報告書に記載される)。投資口を購入する際には、こうした物件の稼働率をチェックしておきたい。

第5に、投資法人の売上は、賃料収入と不動産の売却益から構成される。その反面、保有する不動産の時価の上昇・下落は売上高には算入されない。そこで不動産の購入価格(簿価)と不動産の時価とのズレに関する情報を投資家に開示する必要が生じる。この点、上場された不動産投資信託については「有価証券報告書」において、不動産鑑定士の鑑定による会計期末の各物件の時価を表示することが投資法人に義務付けられているので、投資口の購入の際の参考とすることができる。 

  • 不動産特定番号(不動産登記における~) 

平成17年3月7日に施行された新しい不動産登記法により導入された、すべての土地、すべての建物に付与される番号のこと。

  • 不動産の時価評価 

主に上場企業が保有する不動産を「時価」で評価し、上場企業の財務内容を投資家に対して適正に開示することをいう。

従来わが国では、上場企業の財務諸表を作成する場合には、不動産は取得価額で評価することが原則とされており、不動産の価格が上昇あるいは下落したとしても、その評価益や評価損を当期利益に含めて計上する必要は原則としてなかった。

そのため業歴の長い企業では多額の土地の含み益を内部に抱え込んでいることが多く、投資家からはその含み益が判断しにくいという問題があった。

また近年のように不動産価格が大幅に下落する局面では、販売用不動産や固定資産に多額の含み損が発生しても、その評価損が外部に開示されないため、投資家にとってはやはり有用な情報が得られないという問題があった。

  • 不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約) 

不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。

この表示規約が最初に作られたのは昭和38年のことであり、その後、10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社にひろく遵守されている。

この表示規約の改正作業や、表示規約に違反した不動産会社への警告などを行なっているのは、全国各地に設立されている「不動産公正取引協議会」である。

  • 不動産保存の先取特権 

「不動産保存の先取特権」は民法第326条に定められた権利である。
不動産に関する権利の保存費用を負担した人がいる場合に、その人がその旨を登記すれば、先取特権が発生し、不動産を競売して保存費用を取り戻せるという権利である。

実際には、建物新築を請け負う建設会社が、棟上げを終えると同時に、この「不動産保存の先取特権」を登記し、棟上時から完成時までの間の建築費を「不動産保存費」として確保することが多い。

この「不動産保存の先取特権」を登記すると、それ以前に登記された抵当権よりも優先するとされている(民法第339条)。

そのため、建設会社が金融機関に対抗する有力な法的手段として多用されている。 

  • 不同沈下 

建物荷重や外力の作用によって、場所によりむらがある沈み方で地盤下に沈下する現象。傾斜や地盤の状況、基礎の形状等が原因となり、地震時に軟化現象等を引き起こすことによって起きる。建築物の構造に障害を引き起こす可能性のある場合は、地盤改良、基礎形状の見直し等有効な対策を講じる必要がある。 

  • プラスター 

鉱物性の粉末と水その他の材料を練り合わせ液体状の材料で、時間の経過とともに硬化するもの。左官材料などに用いられる。
英語では「plaster」と表記する。

  • プラスターボード 

石膏を心材とし、両面をボード用原紙で被覆した板のこと。
施工が簡単で、温度・湿度による変化が非常に少ないことから、壁材、天井材(あるいは壁・天井の下地材)として多用されている。

  • プレイロット 

おおまかには、都市における幼児対象の幼児公園のこと。砂場やブランコ、滑り台などの静的な遊具を設けて、幼児のための遊び場とする。特に、団地やマンション等の敷地内における、乳児用を対象とした簡単な遊び場のことをいう。 

  • プレキャストコンクリート 

英語表記は「Precast Concrete」。
工場であらかじめ製作された鉄筋コンクリートパネルのことである。
現場で鉄筋コンクリートの壁等を製作するには時間と費用がかかるが、プレキャストコンクリートを使用することによって建築に要する時間とコストを大幅に削減することが可能となった

  • フレックスウォール 

建築物の内部空間を区画するために設けられる開閉可能な間仕切りのこと。可動間仕切りとも呼ばれる。

フレックスウォールは、ひとつの部屋を必要に応じて2つに仕切ることができる。
フレックスウォールには、アコーディオン式(折り戸式)のものや、引き戸式のものなどさまざまなな種類がある。

また小窓のついた家具調のものや、床から天井まで隙間無く覆う壁のようなものなど、形状もさまざまである。 

  • プレハブ住宅 

現場での施工の前に、あらかじめ工場で部材の加工、組立を行ない、それを現場で組み立てる住宅。生産性の向上、質の均一性、精度の向上を目的とし、現場作業を軽減させることから工期も短縮できる。また、工場生産により価格が抑えられることなどの特徴がある。 

  • フローリング 

木板や木質材料による床板のことを一般に「フローリング」という。

フローリングには、単層フローリング(無垢材(一枚の厚い天然木単板)を多数敷き詰めたもの)と、複合フローリング(単板を重ねて表面に天然木単板を接着した板材を多数敷き詰めたもの)の2種類がある。

近年では、コストが安く、変形・伸縮が少ない複合フローリングが主流となっている。

フローリングには下階に床衝撃音が響くという短所がある。これを克服するには、フローリングとクッション材を複合した商品(複層フローリング)を使用することが有効である。 

  • 風呂がま 

浴槽にためた水をガスで瞬間的に加熱し、風呂を沸かす機器のこと。「ガス風呂がま」とも言う。
風呂がまは、ガス給湯器の一種ではあるが、台所・洗面台への給湯機能は持たず、風呂の湯沸し機能・追いだき機能・沸かし直し機能だけを持つ。またシャワー機能を備えている機種とそうでない機種がある。

  • プロムナード 

遊歩道、散歩道のこと。タイル舗装したり、洒落たストリートファニチャーを設置したり、植裁を施したりして、商店街の活性化を図り、またビルの間道をやすらぎ空間として利用する事例が増えてきている。

  • 文化財保護法 

文化財を保存・活用することを目的とし、従来の「国宝保存法」「史跡名勝天然記念物保存法」などを統合して昭和25年に制定された法律。

  • 分割登記 

一個の建物を数個の建物に分ける登記のこと。
建物に付属建物(離れなど)がある場合、分割登記により別々の建物として登記記録を作ることができる。 

  • 文教地区 

特別用途地区のひとつ。
教育施設の周囲や通学路において、教育上好ましくない業種(例えばパチンコ店や風俗店など)の進出を規制するという地区である。

市町村が指定する地区であり、建築規制の内容は市町村ごとの条例で定められる(建築基準法第49条)。

従って文教地区の詳細を知りたい場合には、市区町村役所の建築確認担当部署に問い合わせる必要がある。 

  • 分電盤 

配電盤より配電された幹線を、分岐する箇所に設置する装置。分岐配線するという役目だけではなく、保守点検を行ないやすくするという利点も兼ね備えている。 

  • 分配金 

不動産投資信託の投資法人おいて、利益の分配として投資家に対して支払われる金銭のこと。通常の株式会社でいえば「配当金」に類似する。

分配金は、投資法人の会計期間の終了後に支払われる。不動産投資信託の投資法人の会計期間は通常6ヵ月に設定されているので、不動産投資信託の購入者(すなわち投資主)は、通常、年2回「分配金」を受け取ることができる。

分配金の原資となるのは原則として、投資法人の「当期純利益」である。当期純利益とは、その会計期間中の所得(税引前当期利益)から、法人税等を差し引いた後に残る、最終的な利益を指している。

また分配金の原資に関しては、出資総額(通常の会社でいえば資本金・資本準備金に相当)を原資にあてることも法律上は可能である。これは「出資の払い戻し」と呼ばれる。ただし現在のところ、上場されている不動産投資信託では出資の払い戻しは行なわれていない。

ところで投資法人には、投資法人の課税の特例(租税特別措置法第67条の15)により、法人税が事実上ほぼ免除されるという特長がある。
すなわち投資法人では、税引前当期利益(税法上の所得)の90%超に相当する額を、投資主へ分配金として支払うならば、その分配金に相当する額を法人税法上の「経費」として計上することができる。

具体的には、例えば、ある投資法人の1会計期間(6ヵ月)の税引前当期利益(税法上の所得)が100億円、分配金が99億円、法人税等の税率が40%であったとしよう。
この場合、分配金を損金(経費)扱いできるので、投資法人が支払うべき法人税等は(100億円-99億円)×40%=4,000万円となる。その結果、当期純利益は100億円から4,000万円を差し引いた残額、すなわち99億6,000万円となる。

このような「投資法人の課税の特例」により法人税等が事実上ほぼ免除されるので、投資法人では「税引前当期利益」、「分配金」、「当期純利益」がほぼ等しいという現象が起きる。上記の設例でいえば、税引前当期利益は100億円、分配金は99億円、当期純利益は99億6,000万円である。

実際に、上場されている不動産投資信託では、税引前当期利益(税法上の所得)の100%近くを分配金にあてていることが多い。

なお、分配金の金額は、会計期間終了後2ヵ月以内に投資法人の役員会で正式に決定される。
上場された不動産投資信託の過去の実績を見ると、投資口価格いわゆる株価に相当)に対して3%~5%に相当する金額が、(投資口1口当たりの)分配金の1年間の合計として支払われている。 

  • 分筆 

土地登記簿上で一筆の土地を、数筆の土地へと分割すること。

  • 分筆登記 

一筆の土地を分割して数個の土地にするという登記のこと。

 

 

  • ペアガラス 

複層ガラスともいう。遮音性・断熱性を高めるため、ガラスを二重にしたサッシのこと。結露を防ぐ性能をもつタイプもある。 

  • ベイウィンドウ 

出窓(張出し窓)のこと。もともとはサンフランシスコで湾の景色を見るために設けられたベイビューウインドウのことであったが、現在は出窓の総称として使われる。
長方形、多角形、弓形等がある。 

  • 閉鎖登記簿 

一筆の土地または一個の建物の登記記録が閉鎖された場合に、その閉鎖された登記記録が保存される帳簿(または磁気ディスク)のこと。
一筆の土地または一個の建物に登記記録が閉鎖されるのは、土地が合筆される場合、建物が滅失した場合などがある。

また、登記所がコンピュータ化し、従来の紙の登記簿が磁気ディスクの登記簿へ置き換えられるのに伴い、従来の紙の登記簿そのものが閉鎖される。これも「閉鎖登記簿」という。

こうした閉鎖登記簿は、土地登記簿で50年間、建物登記簿で30年間保存されている。希望すれば、閉鎖登記簿の閲覧や、閉鎖登記簿の謄本(閉鎖謄本)の交付を受けることもできる。 

  • 閉鎖謄本(不動産登記における~) 

閉鎖登記簿の写し(謄本)のこと。
現在、登記所の大半はコンピュータ化され、従来の紙の登記簿は、現在では磁気ディスクの登記簿へ置き換えられている。
しかし従来の紙の登記簿は、従来どおり登記所に閉鎖登記簿として保管されており、希望すれば閲覧したり、写し(謄本)の交付を受けたりすることができる。
閉鎖謄本の交付を受けるには、登記事項証明書・登記簿謄本抄本交付申請書の中に、「閉鎖登記簿」というチェック欄があるので、その欄をチェックし、必要事項を記入して提出する。 

  • 壁心 

建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。

この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。

建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用していると言うことができる(建築基準法施行令2条1項3号)。

なおこの「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。 

  • べた基礎 

基礎の底部がすきまなく連続し、基礎の底部が一枚の板状になっている基礎のこと。

  • ベランダ 

建物の壁面から突き出した床の部分。バルコニーとも言う。
バルコニー・ベランダは、マンションの場合、共有部分とみなされるので、各住戸の専有面積に算入されない。またマンションの各住戸の所有者は、バルコニー・ベランダに物を置いて火災時の避難に支障をきたしてはならないとされている。 

  • 変更登記 

不動産登記において、登記がなされた後に、登記と実体とにずれが生じた場合に、訂正するための登記のこと。登記名義人の住所変更の登記、登記名義人の氏名変更の登記などがある。 

  • 変更の登録 

宅地建物取引主任者の登録を受けた者は、宅地建物取引主任者資格登録簿に登載された事項に変更があったときは、変更登録申請書を遅滞なく提出しなければならない。これを変更の登録という。

  • 変更の届出 

宅地建物取引業者に関する一定の事項を登載した名簿(宅地建物取引業者名簿)の登載事項について変更が生じた場合に、宅地建物取引業者が行なうべき届出のこと(宅地建物取引業法第9条)。

  • ペントハウス 

次の2つの意味がある。
1)建物の最上階に設けられた非常に高級な部屋
2)建物の屋上に造られた階段室・昇降機塔などのこと
わが国では主に2)の意味で用いられる。

なお、わが国の建築基準法では、建築面積の8分の1までの広さのペントハウス(2の意味)は、建築物の高さ及び階数に原則的に算入しないという特例がある(建築基準法施行令第2条)。 

 


 ホ

  • ポーチ 

建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇(ひさし)を持ち、建物の外壁から突き出している部分を「ポーチ」と言う。(建築用語では庇型ポーチと言う)
ただし、建物の外壁に大きなくぼんだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けた場合もその空間を「ポーチ」と言うことがある。(建築用語では寄り付き型ポーチと言う)

  • ポーチの面積 

一戸建て住宅の場合、ポーチの面積は、建築基準法では次のように扱われる。

1)床面積の計算
庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、主に通行専用の用途である限りは、建築基準法上の「床面積」に含まないこととされている。
しかしポーチが通行専用ではなく、例えば車庫や作業場として使用される場合には、建築基準法上の「床面積」に含める必要がある。

2)建築面積(いわゆる建坪)の計算
庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、建築面積に含める必要がある。

ただし庇型ポーチで、庇を支える柱がない場合には、庇が外壁から突き出した長さが1メートル以下であれば建築面積から除外される。

  • ホーム・エクイティー・コンバージョン・モーゲージ 

米国の住宅都市開発省(HUD)が1989年に開発したリバースモーゲージ商品のこと。住宅資産転換融資と訳される。また頭文字をとってHECMと略称される。
HECMでは、融資主体は各民間金融機関であり、連邦政府は高齢者の返済を保証するなどの形で融資契約に関与している。
民間金融機関にとっては、リバースモーゲージを高齢者に対して行なう際には、一括返済の最終的な期限が高齢者の死亡時とされるので、高齢者が長生きをすれば、その長い年月において担保不動産の価格が下落し、一部返済不能に陥る危険性が高くなる。
HECMではこのような民間金融機関の抱える不動産値下がりによる損失の可能性をなくすために、国が高齢者に代わって返済不能部分の返済を肩代わりするという保険の仕組みが設けられている。この保険は、FHA(連邦住宅庁)保険と呼ばれている。
このFHA保険などによってHECMはもっとも安全なリバースモーゲージ商品となり、米国のリバースモーゲージの利用者全体の約3分の2がこのHECMの利用者となっている。 

  • ホールダウン金物 

布基礎(ぬのきそ)にあらかじめ埋め込んでおく棒状の金物で、アンカーボルトよりも長い。
ホールダウン金物は、1階の床組の水平材(これを土台という)にあけておいた穴にとおして、柱の側面にボルトで締めて緊結する。つまりホールダウン金物は、柱と布基礎を緊結するものである。

特に3階建て住宅などでは水平方向の力がかかるときに柱が土台から浮き上がることがあるが、ホールダウン金物はこの浮き上がりを防止する効果がある。

  • ボウウィンドウ 

ベイウインドウの形状の一つで、弓形のものをボウウインドウという。bowとは弓(弓形)のこと

  • 防火構造 

建物の外壁や軒裏について、建物の周囲で火災が発生した場合に、外壁や軒裏が延焼を抑制するために一定の防火性能を持つような構造のことである(建築基準法2条8号)。
このため、防火構造は一般に「外壁・軒裏防火構造」と呼ばれることも多い。

  • 防火地域 

防火地域は、都市計画で指定される地域であり、火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法61条)。

  • 防災街区整備地区計画 

都市計画法第12条の4に規定する4種類の「地区計画等」のひとつ。密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に従い、都市計画によって定められる。

防災街区整備地区計画は、火事・地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために支障を来している地区について、公共施設などの防災機能を整備しようとする計画である。

防災街区整備地区計画を定めるための条件は、特定防災機能(火事または地震が発生した場合に延焼防止・避難確保のために必要とされる機能)を確保するだけの公共施設がないこと、特定防災機能に支障を来していること、用途地域が定められていること、である(密集市街地防災街区整備促進法第32条)。

  • 報酬額の制限 

宅地建物取引業者による媒介または代理によって、宅地建物の売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者から所定の報酬を受け取ることができる。

この報酬の額は、媒介契約または代理契約に基づき、依頼者と宅地建物取引業者の間で約定されるものである。
またこの報酬の額の上限は、宅地建物取引業法により国土交通大臣が告示で定めるものとされており(法第46条第1項)、宅地建物取引業者はその告示の規定を超えて、報酬を受けてはならないという制限がある(法第46条第2項)。

このような宅地建物取引業法の規定を受けて、昭和45年に建設省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める件」(いわゆる報酬告示)が告示されている(最終改正平成16年2月18日)。報酬額の制限の概要は次のとおり。

1)報酬が発生する場合
宅地建物取引業者の媒介または代理により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者は依頼者に報酬を請求することができる(法第46条第1項)。
しかし、宅地建物取引業者自らが売り主または貸し主として売買・交換・貸借が成立した場合には、その売り主または貸し主である宅地建物取引業者は取引当事者の立場にあるので、買い主または借り主に報酬を請求することはできない。
またこの報酬は成功報酬と解釈されており、原則として売買・交換・貸借が媒介または代理により成立した場合にのみ報酬請求権が発生するとされている(標準媒介契約約款の規定等による)。

2)売買の媒介における報酬額の上限
売買の媒介の場合に、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることができる報酬額の上限は、報酬に係る消費税相当額を含めた総額で、次のとおりである(報酬告示第二)。

ア:売買に係る代金の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)のうち200万円以下の部分について…5.25%
イ:200万円を超え400万円以下の部分について…4.2%
ウ:400万円を超える部分について…3.15%

例えば、売買に係る代金の価額(建物に係る消費税額を除外)が1,000万円の場合には、200万円の5.25%、200万円の4.2%、600万円の3.15%で、10.5万円・8.4万円・18.9万円の合計として37万8,000円が依頼者の一方から受ける報酬額の上限となる(ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

3)交換の媒介における報酬額の上限
交換の媒介の場合には、交換する宅地建物の価額に差があるときは、いずれか高い方を「交換に係る宅地建物の価額(ただし建物に係る消費税額を除外する)」とする(報酬告示第二)。
例えば、A社がX氏と媒介契約を結んでX氏所有の800万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介し、B社がY氏と媒介契約を結んでY氏所有の1,000万円(消費税額を除外後)の宅地建物を媒介して交換が成立したとすれば、A社の報酬額の上限は800万円でなく、1,000万円をもとに計算する。従ってA社の報酬額の上限は37万8,000円である(ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含む)。

4)貸借の媒介の場合
宅地または建物の貸借の媒介において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬の上限は原則として借賃(ただし借賃に係る消費税額を除外する)の1月分の0.525倍である。ただしこの額には報酬に係る消費税相当額を含んでいる(報酬告示第四)。
また、宅地建物取引業者が当該依頼者の承諾を得ているときは、最高で借賃の1月分の1.05倍を依頼者の一方から受けることができる。

なお、宅地または非居住用の建物(店舗・事務所など)の賃貸借において、権利金が授受されるときは、その権利金の額を上記2)の「売買に係る代金の額」とみなして、売買の媒介の場合と同様に報酬額の上限を算出することが可能である(報酬告示第六)。

5)代理の場合
売買・交換・貸借の代理において、宅地建物取引業者が依頼者の一方から受けることのできる報酬額の上限は、上記2)・3)・4)の2倍となる(報酬告示第三・第五)。

6)複数の宅地建物取引業者の関与
複数の宅地建物取引業者が関与する場合には、それらの業者の受ける報酬額の合計は、上記2)・3)・4)の2倍を超えることはできない。

7)特別の依頼に係る広告費用
依頼者が特別に依頼した広告の料金に相当する額は、上記の1)から6)のほかに、宅地建物取引業者が依頼者から受けることができる(報酬告示第七)。 

  • 法人 

法律により権利・義務の主体となることを認められた団体のこと。社団法人、財団法人、株式会社、学校法人、宗教法人などである。また名称が「組合」であっても、法人である場合がある(協同組合など)。
法人を設立するには法律の規定が存在することが必要であり、法律に定める要件を満たさない場合にはその団体は法人となることができない。

  • 法人格 

法人の権利能力のことを法人格という。法人は権利能力を有している(換言すれば法人格を有している)ので、権利義務の主体となることができる。
例えば、法人が法人名義で財産を取得したり、財産を法人名義で登記したり、契約を法人として締結することが可能である。

  • 法人学説 

本来、権利義務の主体となることができるのは人間(自然人)に限られ、法人は権利義務の主体となることができなかったのであるが、近代社会では当然のように法人を権利義務の主体と認め、法人に権利能力を付与している。その理論的根拠に関する学説を法人学説という。

主な法人学説には、法人実在説、法人擬制説、法人否認説あり、わが国の法制度は法人実在説に立脚しているとされている。

  • 法人の権利能力・行為能力 

民法第43条では「法人は法令の規定に従い、定款又はは寄附行為に定められた目的の範囲内において、権利を有し義務を負う」と規定している。
この規定は、法人の権利能力の範囲を制限し、それと同時に法人の行為能力の範囲をも定めた規定であると解されている(判例、通説)。

すなわち、定款または寄附行為に記載された目的を超えた行為を法人の代表機関=理事など)が行なった場合には、その理事などの行為は、法人の権利能力(および行為能力)の範囲を超えるので、その理事などの行為は法人に帰属しないという趣旨である。

しかしながら実際には法人の理事が一見「目的の範囲」を超える行為を行なうことは多く見られるので、これをどのように解釈すべきかが問題となる。

1:目的の範囲を一見超えていると見られる理事の行為
定款には記載のない種類の行為を理事が行なった場合について、判例では、「目的の範囲」を極力拡大して解釈することにより、理事の行為を法人の行為として法人に帰属させている(例えば会社の政治献金を「目的の範囲内」と解釈する。)

2:理事の不法行為
理事が「目的の範囲内」の行為によって、不法に他者に損害を与えた場合には、法人がその不法行為について損害賠償責任を負う(民法第44条第1項)。この場合にも、理事の職務行為を広く解釈することにより、法人の損害賠償責任の範囲を広く解釈する)。

  • 法人の不法行為責任 

民法第44条第1項では「法人の代表機関=理事など)が、定款または寄附行為に記載された目的の範囲内で、職務を行なって他人に損害を加えた場合には、法人がその損害賠償の責任を負う」旨を定めている。
この規定について、法人実在説立場からは、法人が社会的実在である以上、法人自身が不法行為を行なうことは当然にあり得るので、目的の範囲内で法人は損害賠償責任を負うのが当然であると解釈されている(ただし法人擬制説・法人否認説では理事の不法行為について、法人に責任を負わせた特例的な規定であると解釈されている)。

この法人の不法責任について、「理事などが職務を行なうについて他人に損害を加えた」という部分の解釈が重要である。
もし理事の職務執行の範囲を厳格に解釈するならば、理事の職務執行に「不法行為」が含まれることはあり得ないので、この民法第44条第1項の規定が無意味なものとなってしまう。そこで判例では、理事の職務執行の範囲を広く解釈している。

具体的には判例では「外形上、理事の職務行為と認められるもの、及び社会通念上その職務行為に関連するもの」を理事の職務執行としている(これを外形理論という)。
このように理事の職務執行を広く解釈することにより、法人と取引をする相手方を保護しているのである。
なお、民法第44条第1項により法人が不法行為責任を負う場合でも、理事個人も個人として不法行為責任を負うものとされている(判例)。

  • 法人否認説 

法人否認説は、権利義務の主体となることができるのは人間(自然人)に限定されるので、法人とは個人または財産そのものであるとする考え方である。
この説では、法人自体の行為はありえないので、理事の行為が法人に帰属しているに過ぎないと解釈される

  • 防水パン 

洗濯機を置くための皿状の台のこと。洗濯機パンともいう。 

  • 法第15条第1項の国土交通省令で定める場所 

宅地建物取引業法では、その第15条第1項で、一定の場所には、成年で専任の宅地建物取引主任者を置かなければならないと定めている。
この専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所のことを、宅地建物取引業法では「事務所等」と表現している。

「事務所等」とは具体的には次の2種類の場所を指す言葉である。

  • 法定講習 

宅地建物取引主任者試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者が、宅地建物取引主任証交付を申請する際に、主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、都道府県知事の定める「講習」を受講する義務が生じる(宅地建物取引業法第22条の2第2項)。
この宅地建物取引業法第22条の2にもとづく講習を「法定講習」と呼ぶ。
また、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を希望する場合にも、この「法定講習」を有効期間満了の前に受講することが義務付けられている。

「法定講習」を実施するのは都道府県知事であるが、実際には知事が指定した実施機関が講習を実施している。
どのような機関が実施機関となるかは各都道府県により異なっているので、法定講習を受講する際には、各都道府県の宅地建物取引業法を所管する課や、宅地建物取引業の業界団体へ問い合わせる必要がある。 

  • 法定代理 

本人・代理人の意思に関係なく、法律の規定にもとづいて発生する代理権のこと。具体的には子に対する親権者の権限、成年被後見人に対する成年後見人の権限などが法定代理である

  • 法定代理人 

「法定代理人」とは、法律の規定によって定められた代理人という意味である。
これに対して、当事者同士の合意によって定められた代理人は「任意代理人」と呼ばれる。

  • 法定地上権 

土地とその上の建物を同じ所有者が所有している場合に、競売等により土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際に、民法などの規定により建物のために地上権が自動的に発生することとされている。このように土地建物が強制的に分離処分される際に、法律の規定により建物のために発生する地上権を「法定地上権」と呼ぶ。

民法第388条では、抵当権の実行(いわゆる任意競売)により、土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際に、建物のために法定地上権が発生すると規定する。また民事執行法第81条では、競売(いわゆる強制競売)の際にも、建物のために法定地上権が発生すると規定する。また租税徴収法では租税滞納による物件売却(いわゆる公売)の際にも、建物のために法定地上権が発生すると規定している。

このように各法律で法定地上権を規定している理由は、競売等により土地と建物が別々の所有者に帰属することとなった際には、建物が敷地を利用する権利がいったん消滅することとなり、建物を土地から撤去しなければならないという不都合が生じるので、そうした不都合を回避するために、建物に地上権(法定地上権)を付与するという趣旨である。

  • 法律行為 

法律関係を変動させようとする意思にもとづく行為のこと。

  • 保管振替制度 

上場株券を証券保管振替機構に預託し、株券の受け渡しを簡略化する制度のこと。

  • 保佐人 

被保佐人に対して、保佐開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する保佐人のことである(民法876の2条)。

保佐とは「たすける」という意味である
保佐人は、重要な財産行為について同意する権限を持つ(民法12条)。

  • 補償金の支払請求 

事業認定の告示があったときに、土地所有者や土地に関する関係人が、補償金の前払いを請求できるという制度のこと。

土地所有者または土地に関して権利を有する関係人(先取特権・質権・抵当権・差押債権・仮差押債権の権利者を除く)は、事業認定の告示の日以後に、補償金の支払請求をすることができる(土地収用法第46条の2)。

ただし、収用者(起業者)が収用の裁決の申請をしていない場合には、収用の裁決の申請の請求(土地収用法第39条第2項)と一緒に、補償金の支払請求しなければならない(土地収用法第46条の2)。

起業者は、補償金の支払請求を受けたとき、2ヵ月以内に、自己の見積りによる補償金を支払わなければならない(土地収用法第46条の4)。なお、このときの支払額と、収用の裁決による補償金額のずれについては、権利取得裁決で清算されることになっている。

権利取得裁決では、補償金の支払請求がされた土地の算定方法は、事業認定の告示を基準とした相当な価格に、補償金の支払請求の支払期限(土地収用法第46条の4)までの物価変動率を乗じたものとされている。

  • 保証債務 

主たる債務者の債務を、別の者が保証したとき、この保証人の債務を「保証債務」という。

例えばAがBから借金をし、Aの友人であるCがその借金の保証人になったとしよう。このときAは主債務者、Bは債権者、Cは保証人、AB間の債務は「主債務(しゅさいむ)」、BC間の債務は「保証債務」と呼ばれる。

保証債務とは、正確には「主債務者Aが債務を履行しない場合に、保証人CがAの代わりに債務を履行するという保証人Cの債務」である(民法446条)。従って保証人Cは、主債務者Aが借金を返済しない場合にのみ借金返済の義務を負うことになる。

つまり債務履行の責任はまず主債務者にあり、保証人は補充的に債務を履行するだけである。このような保証債務の性質を「補充性」と呼んでいる(ただし連帯保証には補充性がない)。保証債務の主な特徴は次のとおりである。

1)附従性にもとづく抗弁権
保証債務は主債務を保証するものであるので、主債務自体が消滅すれば、保証債務もまた消滅する。このように主債務と保証債務が連動することを「附従性(ふじゅうせい)」という(民法第448条)。
こうした保証債務の附従性により、保証人は主債務の消滅などの理由を債権者に主張することができる。例えば、主債務者Aの主債務が当初1,000万円であったが、主債務者が200万円を弁済したことにより主債務が800万円にまで縮減したとする。このとき、債権者Bが保証人Cに対して1,000万円を返済するように請求したとしても、保証人Cは債務が800万円であることを債権者Bに対して主張することができる。これを附従性にもとづく抗弁権という。

2)補充性にもとづく抗弁権
前述のように保証債務は補充性を有するので、保証人は債権者に対し、先に主債務者から弁済を受けるように主張することができる。具体的には催告に抗弁権(民法452条)、検索の抗弁権(民法第453条)が保証人に与えられている。

3)保証人の求償権
保証人は主債務者に代わって債務を弁済した場合には、その弁済した金額を保証人が主債務者に請求することができる(民法第459条)とされており、これを保証人の求償権という。
ただし保証人が主債務者に代わって債務を弁済する際には、弁済の前と弁済の後に主債務者に通知をするべきである。これは保証人が弁済した後で主債務者が弁済すること(二重弁済)などを避けるためである(民法第463条、第443条)。

なお、保証の特殊な形態として、保証人の責任を大幅に強化した「連帯保証」があり、実際の契約ではこの連帯保証が用いられることが多い。

  • 保証書(不動産登記における) 

所有権移転登記を申請しようとする売り主が、登記済証を紛失している場合に、登記済証の代わりに作成する書類のこと。通常はこの保証書の作成は、不動産の売り主が司法書士に依頼する。

保証書は、不動産の売り主がその不動産の真正な所有者であるということを2名の保証人が保証するという内容の書面である。
2名の保証人は、いずれかの登記所(問題となっている不動産を管轄する登記所でなくてもよい)で登記を受けている成年者であることが必要である。

なお、保証された者が実は真正な所有者でなかった場合には、保証人は損害を受けた者に対して民事上の賠償責任を負うことになるので注意が必要である。 

  • 補助人 

被補助人に対して、補助開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する補助人のことである(民法876の7条)。

補助人は、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な財産行為について同意する権限を持ち、代理する権限を持つ(民法16条・120条・876条の9)。

  • 補正(不動産登記における~) 
  • 舗装(土壌汚染対策法の~) 

汚染土壌について、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置のひとつ。

汚染土壌との接触を遮断するため、汚染土地に厚さ10センチメートル以上のコンクリート舗装または厚さ3センチメートル以上のアスファルト舗装などを施すことである。(環境省の「土壌汚染対策法ガイドラインを参考とした)

  • 保存登記 

初めてする所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部の甲区に「所有権保存 所有者A」のように記載される。

所有権の保存の登記をすることができるのは、原則として、表題部所有者である(不動産登記法第74条)。

  • ほふり 

上場株券等の保管・受け渡しを合理化するために平成3年に設立されたわが国唯一の機関。
平成16年現在で上場株券の約6割を保管している。

昭和59年11月に「株券等の保管及び振替に関する法律」が施行され、この法律に基づき、平成3年10月より「保管振替制度」が実施されている。

証券保管振替機構は、この保管振替制度に基づくわが国唯一の保管振替機関であり、わが国の公開会社の発行済株式のうち60%以上の株券を保管している。
また平成16年現在、証券保管振替機構の取扱会社数は4,000社近くにのぼり、すべての公開会社の発行する株券等が取扱い対象となっている。

証券保管振替機構の保管対象とする証券は「上場株」「店頭株」「転換社債」「転換社債型新株予約権付社債」「株価指数連動型投資信託受益証券(ETF)」「投資証券」などである。

なお証券保管振替機構の組織形態は当初は財団法人であったが、平成14年4月より株式会社に移行した。現在の正式名称は「株式会社証券保管振替機構」である。 

  • 保留地 

土地区画整理事業を実施した際に、事業主体が取得する宅地のことを「保留地」という。
土地区画整理事業では、事業が施行される区域内のすべての宅地は、従来の宅地所有者に交付される新しい宅地(換地)となるのが原則である。
しかし事業にかかる費用を捻出する等の目的のために、施行区域内の一部の宅地は換地とせず、その土地を事業主体が取得することができるとされている。このような土地を「保留地」という(土地区画整理法第96条)。
保留地は将来的には事業主体が一般人に売却して、その売却代金を事業費用に充てることが多い。 

  • ホルムアルデヒド 

ホルムアルデヒドは、無色で刺激臭のある気体状の有機化合物(化学式はHCHO)であり、VOC(揮発性有機化合物)のひとつである。またホルムアルデヒドが一定の割合で水に溶けたものをホルマリンという。
ホルムアルデヒドは建材や家具に多く使用されており、シックハウス症候群を引き起こす主要な原因物質のひとつであると言われている。
ホルムアルデヒドは塗料・接着剤・フェノール樹脂などとして広く用いられる。建築関係では特に合板、繊維板、パーティクルボード、壁紙、フローリング材などに多用されるほか、合板を用いた家具にも使用されている。

ホルムアルデヒドの有害性については、一般的には空気中の濃度が0.05ppmで臭気を感じ、0.8ppmでほとんどの人が目の刺激、鼻・喉の乾燥を感じるとされている(1ppmは100万分の1という意味)。また低濃度であっても長期間にわたって人体に吸収されることにより、化学物質過敏症を引き起こすとも考えられている。

厚生労働省では、現状において入手可能な科学的知見に基づき、人がその濃度の暴露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろうとの判断により設定された安全な指針として、ホルムアルデヒド濃度を0.08ppm以下(重量換算で1立方メートルあたり0.1ミリグラム以下)にすることを勧めている。

しかしながら国土交通省が平成12年度に実施した全国約4,500戸の住宅を対象とする実態調査においては、ホルムアルデヒドの平均濃度は0.071ppmであり、厚生労働省の濃度指針値0.08ppmを下回るが、同指針を超える住宅が全体の約27.3%に達していた。
住宅の建築経過年数別に比較すると、築後4・5年の住宅が最も濃度が高く、築後2~3年のものや築後1年以内のものは逆に濃度が低くなっていた(これは近年シックハウス対策が普及しつつあるためと考えられる)。
また同じく国土交通省が平成13年夏に新築住宅1,726戸を対象に行なった調査では、13.3%の新築住宅でホルムアルデヒドの濃度が厚生労働省の指針値を上回っていた。

こうしたことから国では平成14年7月12日に建築基準法を改正・公布し、ホルムアルデヒドの規制に乗り出している。具体的には遅くとも平成15年7月12日までに建築基準法施行令を改正し、ホルムアルデヒドを含む建材の使用面積を制限する予定である。
また、マンションなど気密性の高い住宅では、ホルムアルデヒドを発散するおそれのある建築材料を使用しない住宅等であっても、家具からの発散があるため、原則として、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置を義務付ける予定である。 

  • ホワイエ 

劇場の談話室、休憩室を表すフランス語。ホテルなどではラウンジ、ロビーと称するが、ホワイエも同意である。

  • ボンエルフ 

歩行者の快適性を考慮しながら、歩行速度程度の自転車や低速自動車の通行を可能にした歩車融合型のコミュニティ道路。車の速度を歩行者と同じ程度まで低下させるために、通行部分の蛇行やハンプ(路上の凹凸)を設置している。オランダ語で「生活の庭」の意。 

  • 本下水 

下水道が完備されている区域を「下水道の処理区域」という。
下水道の処理区域では、汚水を各住戸の浄化槽で浄化する必要がなく、汚水をそのまま公共の下水道管(汚水管)へと放流することができる。
このことを不動産業界では、公共の下水道管(汚水管)が完備しているという意味で、「本下水」と呼んでいる。

ただし不動産販売のパンフレット等では「下水:公共下水道へ直接放流」のように表記する方が一般に理解しやすいと思われる。 

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2010年12月6日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:不動産言語

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